研究課題/領域番号 |
20591828
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
内山 昭則 大阪大学, 医学部附属病院, 助教 (00324856)
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研究分担者 |
藤野 裕士 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (50252672)
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キーワード | 人工呼吸 / 気管チューブ / 調節呼吸 / 自発呼吸テスト / 呼吸仕事量 / 腎不全 / NGAL |
研究概要 |
集中治療部にて人工呼吸を受けた患者を対象に、人工呼吸器からの離脱前に横隔膜筋力の測定と自発呼吸試験を行い、人工呼吸管理、横隔膜筋力と人工呼吸からの離脱の成否の関連を調べる研究を行った。21年度から引き続いて自発呼吸試験における3つ人工呼吸条件設定(プレッシャーサポート換気、プロポーショナルアシスト換気、およびオートマチックチューブコンペンセーション)の比較検討を行い、計70例からデータを得た。従来、用いられてきたプレッシャーサポート換気法を用いた自発呼吸試験と比較しても、新たな方法であるプロポーショナルアシスト換気、およびオートマチックチューブコンペンセーションは妥当な自発呼吸試験方法であった。さらに22年度は人工呼吸中の呼吸筋力に関連しているが今までほとんど調べてこられなかった呼気相の呼吸仕事量について検討を行った。人工呼吸患者50例を対象に呼気相に気管チューブや人工呼吸器によって負荷される呼吸仕事量を調節呼吸中と自発呼吸テスト中に測定した。呼気相に負荷される呼吸仕事量は分時換気量の増加ともに急速に増大し、呼吸筋筋力へ影響する可能性が示唆された。また、人工呼吸を必要とするような呼吸不全患者ではよく腎不全を合併し、腎不全の治療が人工呼吸器からの離脱の成否と非常に大きく関連する。腎不全の予後指標として近年、注目されているPlasma neutrophil gelatinase-associated lipocalin(NGAL)が人工呼吸患者の経過や呼吸筋力の低下と関連がみられないかを検討した。22年度は集中治療部に入室した人工呼吸患者で急性腎障害を合併した患者において血中のNGAL値の推移を検討した。その結果、血中のNGAL値の推移は集中治療部における患者の予後と大きく関係していることが示唆された。重症患者において人工呼吸管理や急性腎不全の治療の指標として血中NGAL値の継続的な測定が大きく役立つ可能性が示唆された。
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