研究課題/領域番号 |
20591833
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
川人 伸次 徳島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (60284296)
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研究分担者 |
北畑 洋 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (60161486)
大下 修造 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (60144945)
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キーワード | 再生医療 / 血管新生 / 麻酔薬 / 周術期管理法 / 薬剤反応性 |
研究概要 |
周術期に使用される各種麻酔薬は血管シグナリング因子や血管の反応性に影響を及ぼすため、血管新生にも影響を及ぼす可能性がある。多大な侵襲が加わる手術中や手術後長時間の鎮静を要する場合は使用される麻酔薬・鎮静/鎮痛薬の影響は大きいと推察される。最終目的は血管新生に及ぼす各種麻酔薬の影響、さらにそのメカニズムを調べることであり、今年度はラットin vivoモデルを用いて吸入麻酔薬の長時間投与による血管内皮細胞増殖因子(VEGF)の変化を調べた。 オスのWister系ラット(250-300g)をセボフルラン吸入により麻酔導入し、約2%で麻酔維持した。気管切開、人工呼吸管理下に大腿動静脈よりカニュレーションし、輸液ルート、動脈圧測定・採血用とした。保温マットで体温を維持し、PaO2が40mmHg前後になるよう換気条件を一定に保ち、血行動態を記録しながらセボフルラン(n=8)を12時間連続投与した。麻酔導入直後、1時間後、3時間後、6時間後、12時間後に採血し、最終採血後ラットを安楽死させた。VEGF enzyme-linled immunosorbent assay kitでVEGFを測定し、ANOVAで統計処理し、P<0.05をもって有意とした。 体温、呼吸・循環動態に有意な変化はなかった。また、セボフルランの長時間投与によりVEGFの測定値にも有意な変化はなかった。セボフルランの長時間投与による血管新生に及ぼす影響は少なく、虚血患者・担癌患者共に安全に使用できる可能性が示唆された。他の吸入麻酔薬、静脈麻酔薬に関しても現在検討中である。
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