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2008 年度 実績報告書

術後せん妄の神経化学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 20591839
研究機関福島県立医科大学

研究代表者

村川 雅洋  福島県立医科大学, 医学部, 教授 (90182112)

キーワード術後せん妄 / アセチルコリン / プロポフォール / ミダゾラム / デクスメデトミジン / マイクロダイアリーシス
研究概要

術後せん妄は大手術後に意識混濁に加えて幻覚や錯覚がみられる状態で、人工呼吸用気管チューブや輸液用カテーテルの自己抜去などを引き起こし、手術患者の予後に重大な影響を与える合併症である。向精神薬や抗コリン剤の投与によって軽減されることが多いが、その神経化学的機序は明らかでなく、有効な治療手段が確立されていない。本研究の目的は、全身麻酔による脳内神経伝達物質放出の変化のみならず、全身麻酔下に侵害刺激を加えた場合および麻酔覚醒後、さらに鎮静中の脳内神経伝達物質放出の経時的変化を検討することによって、術後せん妄の神経化学的発生機序を解明することである。
現在臨床使用されている代表的な鎮静薬であるプロポフォール(50mg/kg/h)、ミダゾラム(20mg/kg/h)、デクスメデトミジン(0.3mg/kg/h)をそれぞれ7匹のラットに2時間持続投与し、投与前後の大脳皮質におけるアセチルコリン放出量を測定した。その結果、プロポフォール、ミダゾラムは投与中アセチルコリン放出を有意に抑制した(それぞれ、投与前の32士16%、43土13%)が、デクスメデトミジンは有意な影響を及ぼさなかった。プロポフォール投与終了後、アセチルコリンレベルは30分以内に投与前値に回復したが、ミダゾラム投与後は2時間後もアセチルコリンレベルの回復がみられなかった。
プロポフォール、ミダゾラムはラット大脳皮質のアセチルコリン放出を有意に抑制したが、デクスメデトミジンは影響を及ぼさなかった。これらは、それぞれの薬物の作用機序の相違による可能性がある。また、プロポフォール投与終了後その作用は速やかに消失したが、ミダゾラム投与後は影響が遷延した。これが両薬剤による鎮静後譫妄の発生頻度に影響を及ぼす可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2008

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Effects of Sedative Drugs on Acetylcholine Release from the Rat Cerebral Cortex2008

    • 著者名/発表者名
      Nemoto C
    • 学会等名
      2008 American Society of Anesthesiologists Annual meeting
    • 発表場所
      オーランド(米国)
    • 年月日
      2008-10-20

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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