研究概要 |
血液単球系培養細胞(THP-1),またはヒト単球にsiRNAを導入し、血小板との共培養でTissue Factor(組織因子)の発現の変動をみる実験 ERK1, p38α, AKT, Egr-1を標的にし、Nucleofection法によるsiRNA導入を行い遺伝子ノックダウンを施行した。 (In Vitro系)血小板と単球、又は単球系培養細胞の共培養実験。ヒト血小板と、1でノックダウンした培養細胞又は単球との共培養により以下の項目を確認。 (血液細胞表面抗原発現変化の定量)Platelet-Monocyte Conjugate, CD14+CD142+ (Tissue Factor)等の変化より血小板と単球活性レベルを定量する(フローサイトメトリー法)。 (Flow Chamberを用いた血小板、単球接着能の解析)倒立蛍光顕微鏡下に、Flow Chamberに共培養した溶液を流し、コラーゲン,ICAM-1, VCAM-1, Fibronectin加工ガラスにおける血小板、単球接着度を定量評価。(蛋白定量)培養液中Tissue Factor, CD40Ligand, TNFα, Microparticle定量(ELISA法)。(細胞内シグナリング解析)ERK, AKT, p38のリン酸化定量(ELISA法,フローサイト法)。(転写因子活性) Egr-1, NF-kB, AP-1のDNA binding activityの測定(EMSA法)。(Promoter活性)Tissue Factor, TNF alphaのPromoter領域遺伝子を含むPlasmidを単球系培養細胞に遺伝子導入後、ルミノメーターでルシフェラーゼ活性を定量。 結果として、ERK1または転写因子Egr-1をノックダウンした単球又は単球系培養細胞と血小板の共培養にてTissue Factor(組織因子),TNFα, Microparticleの放出、及び凝固反応の抑制が、またAKTのノックダウンによりその抑制が解除された。これらの結果は今年度予定の動物実験にも適用できると考える。
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