研究概要 |
動物モデルを用いた遺伝子ノックダウン単球(Monocyte)投与による静脈血栓塞栓症予防、治療への応用(In Vivo系)(代表者中嶋、分担者上野、橋本担当) (肺梗塞動物モデルの作成)Ketamine/Xylazine(150/15mg, ip)麻酔下の雄CD-1マウス(20-25g)に尾静脈より1250U/kgのヒトトロンビン(80%のマウスが5分以内に死に至る量)、[又はcollagen/epinephrine(800/60μg/kg、80%のマウスが30分以内に死に至る量)]及びコントロールとして生理食塩水を投与する事を基本として実験を行った。 (生存率)血小板凝集薬剤を投与してからの時間軸で見た生存率に関して、siRNAにより組織因子がノックダウンされた単球を注入した群とnegative controlのsiRNAを導入した単球を注入した群との、生存率の改善を検討した。 (肺梗塞重症度の定量化)血小板凝集薬剤投与後一定時間(3-5min)に安楽死を行い採血及び肺組織の摘出を行う。肺組織は、気管より10%ホルマリン投与により固定し24時間後に5-6μmスライスのパラフィン切片を作りphosphotungstic acidにて血管内フィブリンを染色する。最低10視野程度の鏡検で視野中に存在する血管でフィブリンが栓塞している割合を確認する事で肺梗塞の重症度を定量化した。また平成20, 21年度にVitro実験で行った実験項目を測定し、Vivoに於いてもVitroと同じ実験結果が得られるか検討を行ったところ、組織因子をノックダウンした単球を注射したマウスにおいてコントロールの単球を注射した群に比べ、有意に肺梗塞の定量評価により、軽症化していることが分かった。
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