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2008 年度 実績報告書

腎癌由来特異的腫瘍血管内皮細胞による血管新生阻害剤スクリーニングシステムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 20591847
研究機関北海道大学

研究代表者

篠原 信雄  北海道大学, 大学院・医学研究科, 准教授 (90250422)

研究分担者 樋田 京子  北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (40399952)
野々村 克也  北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (60113750)
キーワード腎癌治療 / 血管新生阻害剤 / 腫瘍血管内皮細胞 / 血管内皮細胞マーカー / 染色体異常
研究概要

本研究はヒト腎癌由来特異的腫瘍血管内皮細胞を用いて、腎癌治療に用いる血管新生阻害剤スクリーニングシステムの開発を目指すものである。
従来の腫瘍の増殖に関与する血管新生の概念として、腫瘍血管内皮細胞(TEC)は腫瘍細胞と異なり遺伝的に安定で正常な細胞であると考えられていた。しかしながら我々はこれまでにヒト固形腫瘍のマウス皮下移植モデルから分離されたマウスTECを用いて、TECが染色体異常を有するとともに、正常血管内皮細胞(NEC)とは異なる隼物学的特性を示すことを報告してきた。
平成20年度はヒト腎がんからTECを分離しその特性を解析した。まず、ヒト腎がん血管内皮細胞のFlow Cytometric Analysis of Cell Sorting(FACS)法を用いた解析により、マウスTECと同様に培養ヒトTECにおいてもCD31やCD105、CD144といった血管内皮細胞マーカーの発現は維持されていることが示された。
さらに20例のヒト腎がん組織からTECを、腎の正常組織よりNECを分離・サイトスピンで単層化し、7番染色体DNAプローブを用いたfluorescein in situ hybridization(FISH)法によりploidyを比較した。その結果、NECはdiploidであったのに対して、TECでは30%以上がaneuploidを示し(いずれも未培養)、ヒト腎癌においてTECの一部には染色体異常があることが示された。
ヒト腎癌由来血管内皮細胞がこのように正常血管内皮細胞と明らかに異なることが示されたことは重要な知見である。この腫瘍血管内皮細胞の細胞生物学的特性解析をすすめ、増殖を制御する因子ならびに機構を解析することにより、新たな腫瘍血管新生阻害剤(未知のものを含め)の効果をスクリーニングするシステム(cell-based assay)を樹立できる可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Adrenomedullin antagoniustのヌードマウス移植腎細胞癌に対する血管新生抑制を介した増殖抑制効果-腎細胞癌組織由来腫瘍血管内皮細胞を用いたメカニズム解析-2008

    • 著者名/発表者名
      土屋邦彦
    • 雑誌名

      北海道医学雑誌 83

      ページ: 369-376

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Understanding Abnormality of Tumor Endothelial Cells to Develop Ideal Anti-angiogenic Therapies2008

    • 著者名/発表者名
      Hida K, Hida Y. and Shindoh M.
    • 雑誌名

      Can Sci 99(3)

      ページ: 459-466

    • 査読あり
  • [図書] がん組織中の血管内皮細胞の異常性一遺伝子発現から染色体異常まで2009

    • 著者名/発表者名
      樋田京子、秋野文臣、樋田泰浩
    • 総ページ数
      149-155
    • 出版者
      羊土社

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2021-12-20  

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