研究課題
具体的内容ヒト腎癌細胞など3種類の腫瘍細胞のヌードマウス皮下移植モデルから腫瘍血管内皮細胞を分離、長期培養に成功した。正常コントロールとして、皮膚血管内皮を用いた。種々の化合物:抗がん剤(5-FU、Paclitaxel)、キナーゼ阻害剤(sorafenib)、天然化合物(緑茶カテキンEGCG)を用いて腫瘍血管内皮細胞の増殖能、遊走能への影響を検討した。腎癌腫瘍血管内皮は、正常血管内皮比べ、増殖アッセイにおいて5-FUやPaclitaxelに抵抗性を示した。キナーゼ阻害剤に対しても腫瘍血管内皮細胞の感受性は低かった。一方、EGCGに対しては正常血管内皮に比べて、腫瘍血管内皮細胞の遊走能がより抑制された。意義腎癌由来特異的腫瘍血管内皮細胞を中心に数種類の腫瘍血管内皮を分離・長期培養できたことにより、腫瘍血管内皮細胞の生物学的特徴を明らかにできた。さらに、既存の種々の抗がん剤(5-FU、Paclitaxel)、キナーゼ阻害剤(sorafenib)、天然化合物(緑茶カテキンエピガロカテキンガレート)の効果を解析、判定し、新たな腫瘍血管新生阻害剤開発に際してのスクリーニング評価系を確立することができた。これらの薬剤の感受性についてはこれまで正常血管内皮細胞を用いてのみが報告されていたが、上述のように腫瘍血管内皮細胞は正常血管内皮細胞とは明らかに異なる薬剤感受性をもっていることが示された。重要性腫瘍血管内皮細胞は薬剤抵抗性が正常血管内皮と明らかに異なることが明らかになり、今後腎癌治療を目的とした新たな血管新生阻害剤の効果をスクリーニングする際には腫瘍血管内皮細胞を用いることが重要であることが示された。
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