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2009 年度 実績報告書

ナノパーティクルBCGによる副作用のない膀注療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 20591848
研究機関弘前大学

研究代表者

盛 和行  弘前大学, 大学院・医学研究科, 助教 (40266903)

研究分担者 大山 力  弘前大学, 大学院・医学研究科, 教授 (80282135)
キーワードBCG / ナノパーティクルBCG / 膀胱癌 / 直接効果
研究概要

非浸潤性膀胱癌に対するBCG療法は有効な治療法であるが、BCG生菌感染に由来する副作用の存在が依然残存している。申請者はBCGを物理的に破壊し菌体成分とすることにより、効果は生菌と同等で副作用の少ない新たなBCGをつくることを目指してきた。本研究ではこのナノパーティクルBCGという新たな治療薬の有効性を広汎に実証することを目的とする。
これまでの検討から、BCG生菌とナノパーティクルBCGは作用機序が異なることが示唆されている。平成21年度は、BCG生菌が直接効果を示さない細胞株を用いて検討を行った。筋層非浸潤性膀胱癌由来のKK47細胞に糖転移酵素であるcore 2 N-acetylglucosaminyltransferase(C2GnT)遺伝子を導入したKK47C2GnT細胞、浸潤性膀胱癌由来のBOY細胞、前立腺癌由来のPC-3細胞を用いて検討した。KK47細胞はBCG生菌と混合培養すると無添加のコントロールに比して生細胞数は有意に低下し、直接効果を示した。一方、KK47C2GnT細胞はBCG生菌と混合培養しても生細胞数に変化はなく、直接効果を示さなかった。BOY細胞、PC-3細胞でもBCG生菌による直接効果は認められなかった。これに対し、ナノパーティクルBCGはKK47C2GnT細胞、BOY細胞、PC-3細胞に対してCW、CM、mixいずれも生細胞数低下効果を示し、直接効果が認められた。いずれもCMでの効果が最も高かった。糖転移酵素の導入により細胞表面の糖鎖構造が変化し、BCG生菌の接触や内在化が阻害され、BCG生菌は直接効果を示さなくなったと考えられた。一方、ナノパーティクルBCGはナノメートルサイズとしたことにより接触や内在化が阻害されず、直接効果を示すと考えられた。
ナノパーティクルBCGの生菌無効例への治療薬としての可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (6件)

  • [雑誌論文] 膀胱癌における尿テロメラーゼ活性簡易測定法の有用性2010

    • 著者名/発表者名
      岩渕郁哉、盛和行, 他
    • 雑誌名

      泌尿器科紀要

      巻: 56 ページ: 551-557

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 治療 膀胱内注入療法 BCG2010

    • 著者名/発表者名
      盛和行、大山力
    • 雑誌名

      日本臨床 68(Suppl 4), 323-326

      巻: 68Suppl4 ページ: 332-326

    • 査読あり
  • [学会発表] ナノパーティクルBCGによる直接効果の作用機序はBCG生菌と異なる2010

    • 著者名/発表者名
      盛和行, 他
    • 学会等名
      第48回日本癌治療学会総会
    • 発表場所
      京都国際会館(京都府)
    • 年月日
      20101028-20101030
  • [学会発表] 日本株とコンノート株で異なる膀胱癌細胞株KK47に対するBCGの直接効果の作用機序2010

    • 著者名/発表者名
      盛和行, 他
    • 学会等名
      第98回日本泌尿器科学会総会
    • 発表場所
      盛岡(岩手県)
    • 年月日
      20100427-20100430
  • [学会発表] Post-BCG膀胱内注入療法;BCG failureに対する治療2010

    • 著者名/発表者名
      米山高弘、盛和行
    • 学会等名
      第98回日本泌尿器科学会総会
    • 発表場所
      盛岡(岩手県)
    • 年月日
      20100427-20100430
  • [学会発表] ナノパーティクルBCGはBCG生菌と同等の直接効果を有するが、その作用機序はBCG生菌と異なる2010

    • 著者名/発表者名
      盛和行, 他
    • 学会等名
      第3回BCG注入療法研究会
    • 発表場所
      東京如水会館(東京都)
    • 年月日
      2010-11-26
  • [学会発表] BCGによる直接効果の作用機序は膀胱癌細胞株により異なる2009

    • 著者名/発表者名
      盛和行, 他
    • 学会等名
      第47回日本癌治療学会総会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(神奈川県)
    • 年月日
      20091022-20091024
  • [学会発表] 膀胱癌細胞株により異なるBCGの直接効果作用機序2009

    • 著者名/発表者名
      盛和行, 他
    • 学会等名
      第2回BCG注入療法研究会
    • 発表場所
      東京如水会館(東京都)
    • 年月日
      2009-11-20

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公開日: 2012-07-19  

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