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2010 年度 実績報告書

RM2が規定するハプトグロビンベータ鎖の前立腺癌細胞における機能的役割

研究課題

研究課題/領域番号 20591849
研究機関琉球大学

研究代表者

齋藤 誠一  琉球大学, 大学院・医学研究科, 教授 (80235043)

研究分担者 伊藤 明宏  東北大学, 病院, 講師 (70344661)
キーワード前立腺癌 / バイオマーカー / ハプトグロビンベータ鎖 / シグナル伝達 / RM2 / モノクローナル抗体
研究概要

平成21年度はRM2により処理した前立腺癌細胞のシグナル伝達分子をある程度網羅的に調べた。その結果、まず注目すべきものとして、RasおよびのAkt発現低下がPC3,DU145において観察された。その他、SrcおよびFAKの発現低下がLNCaP,PC3で認められた。また、LNCaP,PC3,DU145でBcl-2の発現レベルが低下し、STAT3の発現レベルも低下した。一方、がん抑制に関与するp16は発現レベルの増加が観察された。以上から、RM2が規定するハプトグロビンベータ鎖は、Ras→Akt pathway、Src & FAK pathwayのほか広くシグナル伝達分子の発現レベルに影響を及ぼしていることが示唆された。
以上の結果から、上位にあるレセプターへのRM2の関与が考えられたため、平成22年度はRM2が規定するハプトグロビンベータ鎖と相互作用する可能性のある分子について研究した。
RasやSTAT3の発現レベルが変化したことから、それらを制御しうる可能性のある分子として、EGFRが考えられた。LNCaP,PC3,DU145のcell lysateをRM2で免疫沈降し、抗EGFR抗体で検出したところ、3種類の前立腺癌細胞株すべてにおいて、バンドが検出された。すなわち、RM2が規定するハプトグロビンベータ鎖がEGFRと相互作用をしていることが示唆された。さらにRM2により、これら3種類の細胞株を刺激すると、EGFRの細胞内への移動が増加することが示された。PC3,DU145におけるEGFRの細胞内への移動は、脳2刺激後、5minでピークになるのに対して、LNCaPにおけるそれは30minでピークになるという違いが見られた。これらの結果から、RM2が規定するハプトグロビンベータ鎖は、EGFRとの相互作用を通して、Ras→Akt pathwayを刺激し、STAT3の発現を上昇させ、悪性形質発現に関与しているが、RM2により相互作用がブロックされることが示唆された。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 7件)

  • [雑誌論文] Effects of Orthosiphon grandiflorus, Hibiscus sabdariffa and Phyllanthus amarus Extracts on Risk Factors for Urinary Calcium Oxalate Stones in Rats.2011

    • 著者名/発表者名
      Woottisin S, Hossain RZ, Saito S, et al.
    • 雑誌名

      Journal of Urology

      巻: 185 ページ: 323-328

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Ganglioside DSGb5, preferred ligand for Siglec-7, inhibits NK cell cytotoxicity against renal cell carcinoma cells.2010

    • 著者名/発表者名
      Kawasaki Y, Ito A, Saito S, et al.
    • 雑誌名

      Glycobiology

      巻: 20 ページ: 1373-1379

    • 査読あり
  • [雑誌論文] RM2を用いた前立腺癌画像診断法開発のための基礎的研究2010

    • 著者名/発表者名
      長谷川陽子、齋藤誠一, 他6名
    • 雑誌名

      西日本泌尿器科

      巻: 72 ページ: 55-56

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 腎・泌尿器癌-基礎・臨床研究のアップデートIII.腎盂尿管癌 基礎研究:腎盂尿管癌の発症・進展メカニズム2010

    • 著者名/発表者名
      斎藤誠一、松村英理, 他2名
    • 雑誌名

      日本臨牀

      巻: 68 ページ: 379-383

  • [雑誌論文] 腎移植の手技と周術期管理:心停止ドナー腎摘出術2010

    • 著者名/発表者名
      大城吉則、斎藤誠一, 他11名
    • 雑誌名

      西日本泌尿器科

      巻: 72 ページ: 158-162

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 薬剤溶出性冠動脈ステント留置術の腎摘出術における周術期の抗血小板療法に難渋した1例2010

    • 著者名/発表者名
      松村英理、斎藤誠一, 他7名
    • 雑誌名

      泌尿器科紀要

      巻: 56 ページ: 265-268

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 結石付着を伴ったTVT術後の尿びらんに対し経尿動的アプローチで治療した1例2010

    • 著者名/発表者名
      松村英理、斎藤誠一, 他7名
    • 雑誌名

      泌尿器科紀要

      巻: 56 ページ: 655-657

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 局所進行性膀胱癌に対するGemcitabine-Cisplatin療法中に発症した間質性肺炎の1例2010

    • 著者名/発表者名
      松村英理、斎藤誠一, 他7名
    • 雑誌名

      泌尿器科紀要

      巻: 57 ページ: 81-85

    • 査読あり

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公開日: 2012-07-19  

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