前立腺癌の病理学的所見の客観的マーカーとして、あるいは内分泌不応前立腺癌に対する治療ターゲットとして、miRNAの発現変化に着目している。 臨床上、生検・手術で得られる前立腺癌組織は少量であるため、平成20年度には前立腺癌剖検サンプルを用いて、RNA抽出・miRNA発現変化の解析を行った。マイクロアレイを用いた網羅的なプロトコールは困難なため、評価miRNAはこれまでの報告で前立腺癌組織・細胞株において発現変化を示されているものに対して順に行ってきた。 平成20年度は期間の大半をマイクロダイセクション法やmiRNA解析の安定した手技の確立に費やし、現在のところ前立腺正常組織・癌組織で明らかなmiRNAの発現変化は示せていない。 新たに前立腺癌におけるmiRNAの発現変化や、その変化の治療効果に及ぼす影響などが報告されてきており、平成21年度はさらに検討対象miRNAを広げていく予定である。
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