研究概要 |
1. 正常膀胱細胞株HUCと膀胱パピローマ細胞RT-4においても、Actinin-4の発現と細胞内局在を検討した。HUCでは膀胱がん細胞株より発現量は少なく、細胞膜に主に局在していた。RT-4では膀胱がん細胞株と同程度の発現量を認め、細胞膜に主に局在していた。 2. Actinin-4と同様に接着分子の裏打ちたんぱく質であるplakophilinたんぱく質の膀胱がんでの発現、細胞内局在を検討した。Plakophilin2では浸潤能の高い細胞株で高発現が認められ、ノックダウンで浸潤能を抑制された。Plakophilin3では浸潤能の低い細胞株で高発現が認められ、ノックダウンで浸潤能が増強された。Plakophilin2と3共にノックダウンで増殖能は抑制されず、むしろやや増殖能が増強する印象であった。これはacrinin-4でも同様の結果である。 3. 膀胱がん細胞のactinin-4, Plakophihn2, 3をノックダウンしたときに増殖能が抑制されなかった理由として、actinin-4, Plakophilin2, 3とβ-cateninとの関連を考慮し、浸潤能の違う膀胱がん細胞株におけるβ-cateninの発現量の差をリアルタイムPCRとウエスタンブロット法で検討を行ったが、細胞株間で有意な差を認めなかった。免疫染色にて2重染色を行い、細胞室内で一部共局在していた。免疫沈降法を用い、浸潤能の違う膀胱がん細胞株間で相互作用に差があるか検討中である。
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