研究課題/領域番号 |
20591858
|
研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
呉 秀賢 香川大学, 医学部, 助教 (10346645)
|
研究分担者 |
常森 寛行 香川大学, 医学部附属病院, 助教 (20380173)
杉元 幹史 香川大学, 医学部附属病院, 講師 (10243768)
乾 政志 香川大学, 医学部附属病院, 講師 (40314918)
筧 善行 香川大学, 医学部, 教授 (20214273)
|
キーワード | Laxatumumab / TRAIL-R2 / アドリアマイシン / 腎癌細胞 / カスパーゼ / アポトーシス |
研究概要 |
我々は平成19年度より「泌尿生殖器癌に対する抗TRAIL受容体抗体併用抗癌化学療法の開発:動物モデル展開」というテーマで科学研究費(基盤研究c)をいただき、難治性・進行性腎癌、膀胱癌、前立腺癌に対する新たな抗TRAIL受容体抗体併用抗癌化学療法の開発研究を行った。腎癌細胞を腫瘍壊死因子関連アポトーシス誘導リガンド受容体2に対するモノクロナル抗体であるLexatumumabと低濃度のアドリアマイシン、5-fluorouracil、vinblastineまたはpaclitaxelとで24時間併用処理したところ、アドリアマイシンとの組み合わせのみが相乗効果を示した。前立腺癌、膀胱癌、肺癌細胞に対しても同様な相乗効果が認められた。処理順序の影響を検討したところ、先にアドリアマイシンで処理した後Lexatumumabで処理した方が逆の順序処理より腎癌細胞に対する細胞障害活性が有意に強かった。低濃度アドリアマイシンは腎癌細胞おけるDR5のmRNAと蛋白発現量を明らかに増加した。また、アドリアマイシンとLexatumumab併用処理によるカスパーゼ8、9、6、3の活性増強が観察された。また、LexatumumabはCDDPとの併用でも同様な相乗効果が確認された。さらに、LexatumumabとCDDPとの併用によるカスパーゼ8活性増強はカスパーゼ8特異的阻害剤により抑制されるのみならずカスパーゼ9、6、3特異的阻害剤とVADによりも抑制された。これらの研究成果は2009年度日本泌尿器科学総会および日本泌尿器科学分子・細胞研究会で発表しており、近い将来、実用化の可能性が高いと考えられる。
|