研究課題/領域番号 |
20591867
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
藤村 務 順天堂大学, 医学研究科, 准教授 (70245778)
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研究分担者 |
數野 彩子 順天堂大学, 大学院・医学研究科, 助教 (00338344)
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キーワード | 前立腺癌 / 腫瘍マーカー / ハプトグロビン / 糖鎖修飾 / レクチン / PHA-L、SNA、AAL / ELISA / 診断キット |
研究概要 |
[研究目的] 血中のハプトグロビンが新たな前立腺癌の腫瘍マーカーとして用いられる診断法を確立する。 「研究実施計画」---平成22年度 糖鎖修飾ハプトグロビンβ鎖の定量化キットの試作 1) ハプトグロビンの簡便な精製法でかつ高感度な検出方法としてのサンドイッチELISA法 あらかじめ抗ハプトグロビン抗体を固定したELISA用プレートを作製する。その後、健常人、良性前立腺疾患或いは悪性前立腺癌患者血清を約25ulプレートに添加する。HRPの結合したレクチン及びビオチンの結合したレクチンを反応させる。これにより血清中のハプトグロビンを簡便に精製すると共にハプトグロビンβ鎖に結合している糖鎖を検出、定量した。反応液を450nm~650nmの差吸光度を用い、マイクロプレートリーダーにて測定した。ELISA法をベースにハプトグロビン量当たりのレクチン結合比を検討した。 その結果、悪性前立腺癌患者と良性前立腺疾患及び健常人血清と比較すると糖鎖修飾されているハプトグロビンβ鎖中の多岐化(PHA-L)、シアル酸修飾(SNA)及びフコシレーション(AAL)化が悪性前立腺癌患者で著しく有意に上昇していた。PSA値が4-10ng/mlのグレイゾーンに入る悪性前立腺癌患者と良性前立腺疾患患者間でも区別が可能であった。 サンドイッチELISA法によるハプトグロビンの糖鎖修飾の検出が悪性前立腺癌の早期診断法につながる可能性を示した。また、前立腺癌の血中腫瘍マーカー測定用の(糖鎖修飾ハプトグロビンβ鎖の定量)キット化の目途が立った。 [まとめ] ハプトグロビンが血中の糖鎖構造に基づく新たな前立腺癌の腫瘍マーカーとして用いられる診断法の可能性を示した。
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