研究課題
研究発表の項に示すように、平成21年度は、(1)アンドロゲンの前立腺組織内代謝と前立腺癌進行・予後リスクとの関連を解析した。P450 3A4の発現と遺伝子多型がアンドロゲン代謝の相関し、前立腺癌の独立予後決定因子であることが明らかにされた(論文1)。(2)エストロゲン受容体ERα,βと前立腺癌との関連について、これまで我々は報告を重ねてきた。今回はestrogen-related receptors β and γ発現と前立腺癌進行。予後との関連を解析し、これらの結果と既報告のestrogen-related receptor αのデータを集積し、組み合わせることで、前立腺癌の独立予後決定因子を同定した(論文2)。これらにより、前立腺癌におけるホルモン受容体発現パターンに基づいた新しい内分泌療法選択の確立に向けた重要なデータを得た。また、これまでの研究成果を前立腺癌以外のホルモン応答性臓器癌に応用した。(3)Estrogen receptor-binding fragment-associated gene 9は、これまで前立腺癌、乳癌、腎癌な膀胱癌どで進行、転移に関与する蛋白であることが、我々や他施設の報告で明らかになっている。今回精巣腫瘍で解析したところ、同様な予後関連因子であることが明らかにされた(論文3)。最後に前立腺癌での、アンドロゲン受容体癒合遺伝子ETS familyとOct-1転写因子の関連を解析し、アンドロゲン受容体の転写亢進のメカニズムを明らかにした(学会発表1)。
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