研究課題/領域番号 |
20591870
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研究機関 | 藤田保健衛生大学 |
研究代表者 |
白木 良一 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (70226330)
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研究分担者 |
星長 清隆 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (30229174)
赤堀 泰 藤田保健衛生大学, 総合医科学研究所, 助教 (80221711)
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キーワード | 腎細胞癌 / 抗体治療 / 完全ヒト型抗体 / 腎癌特異抗原 |
研究概要 |
現在までに我々はファージ・デイスプレイ法を用い、ICOS法(J Immunol Methods. 351 : 1-12、2009)によりAIMS-5ライブラリーより単離した2種類のヒト腎細胞癌細胞特異的抗体(062-130 & 059-152)をIgG化した。in vitroではヒト腎癌細胞株であるCCF-RC1に対し、062-130では濃度依存性に細胞増殖を抑制し、抗体濃度10μg/mlにてコントロールに比べ59.4%、059-152では34.8%の細胞増殖抑制効果が得られた。これら腫瘍増殖抑制の機序として、ADCCおよびEGFRのTKリン酸化阻害の有無に付き検討した。両抗体ともCCF-RC1およびACHNに対し35-40%程度の腫瘍細胞に対するADCC活性を認めたがCaki-1に対しては全くADCC活性を呈さなかった。また、062-130はCCF-RC1およびACHNに対しリン酸化阻害活性を示し、これらはEGFR阻害薬であるCetuximabより強力であった。一方、059-152は如何なるリン酸化阻害活性も示さなかった。 また、ヒト腎癌を坦癌させたSCIDマウスに対し投与した場合ではコントロールに比べ、ある程度の腫瘍増殖抑制を認めた。ヒト腎細胞癌を担癌したSCIDマウスでの抗腫瘍効果は、各抗体において投与スケジュールや投与量、投与方法により増殖抑制に差がみられ、至適条件の設定が必要である。また、抗がん剤等との併用作用についても検討中である。In vivoにおける全身的な副作用の有無も検索する必要もある。私どもの腎細胞癌治療用抗体作製のストラテジーは、本来ヒト抗体ファージ・ライブラリーより産製される抗体を用いることで将来的にも治療の有効性と安全性を充分に諮れるものと考えられる。ヒト腎細胞癌に対する有効性が期待できると考えられる。
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