研究課題/領域番号 |
20591873
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
三井 貴彦 北海道大学, 病院, 助教 (90421966)
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研究分担者 |
田中 博 北海道大学, 病院, 講師 (60344470)
野々村 克也 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (60113750)
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キーワード | 骨髄由来細胞 / 下部尿路閉塞 / 下部尿路機能障害 / 膀胱上皮 / GFP |
研究概要 |
急性の下部尿路閉塞膀胱において、下部尿路閉塞によって生じた膀胱の虚血により誘導されたSDF1αが、膀胱組織への骨髄由来細胞の遊走・接着に関与していることを明らかにした研究は、修正の上再度論文を投稿している。 放射線照射後のwild-typeラットにGFP陽性ラットから採取した骨髄由来細胞を骨髄移植したGFPキメラモデルラットに対して、下部尿路閉塞を作成した慢性期の下部尿路閉塞膀胱において、骨髄由来細胞の関与について免疫組織学的検討を引き続き行ってきた。現在までのところ、GFP陽性細胞は下部尿路閉塞膀胱の筋層で平滑筋様phenotypeへ分化しているものや、尿路膀胱上皮へ分化しているものが観察されている。これらは、下部尿路閉塞膀胱における下部尿路障害の原因の一つになっていると考えられた。しかし、キメラモデルラット作成段階で生存率や骨髄細胞の生着率が低下し、予定した研究を行うことができなかった。現在はさらに検討を進め、(1)下部尿路閉塞によって拡張した尿管に対する骨髄細胞の役割、(2)下部尿路閉塞によって水腎症を期待した腎臓への骨髄細胞の役割、について免疫学的手法を用いて検討を行っている。 また、今後も引き続き新たなモデルとして塩酸や酢酸などの科学的刺激物を膀胱内に注入した膀胱炎モデルにおいて、膀胱上皮の再生段階における骨髄由来細胞の遊走・接着に関与についても検討を行っていく。これは、難治性疾患の一つである間質性膀胱炎のモデルであり、炎症後の膀胱上皮の再生段階において骨髄由来細胞の関与を検討することで、間質性膀胱炎の原因、発生機序の解明につながると考えている。
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