研究課題/領域番号 |
20591882
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
三股 浩光 大分大学, 医学部, 教授 (60219714)
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研究分担者 |
佐藤 文憲 大分大学, 医学部, 准教授 (30305049)
平田 裕二 大分大学, 医学部, 助教 (30295183)
住野 泰弘 大分大学, 医学部, 助教 (30325716)
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キーワード | 外尿道括約筋 / 尿失禁 / TNF-α / アポトーシス / 骨格筋衛星細胞 / 高齢者 / 炎症性サイトカイン |
研究概要 |
ヒト外尿道括約筋衛星細胞における炎症性サイトカインによるアポトーシス誘導機序の解明 1)インフォームド・コンセントの得られた前立腺全摘および膀胱全摘症例より前立腺尖部に付着する外尿道括約筋を微量採取し、抗NCAM抗体を用いたMACS法にてヒト外尿道括約筋衛星細胞を分離培養した。外尿道括約筋衛星細胞にSV40T抗原を遺伝子導入して長寿化し、以下は長寿化外尿道括約筋細胞を用いて実験を行った。 2)炎症性サイトカインTNF-αを長寿化外尿道括約筋衛星細胞に添加したところ、TNF-αは濃度依存性に増殖を抑制し、またアポトーシスも誘導することをFlow Cytometry及びannexin-V FITC染色にて確認した。長寿化外尿道括約筋衛星細胞をTNF-αで刺激後に10%SDSを含むバッファー内で溶解し,ilnmunoblot法にてprocaspase-3,-8及びPARPの分解を検出し、アポトーシス誘導を確認した。 3)TNF-α受容体の阻害薬であるetanercept及びinfliximabを長寿化外尿道括約筋衛星細胞に加えた後、TNF-αで刺激したところ、増殖抑制とアポトーシス誘導は濃度依存性に阻害された。 以上より、TNF-αはヒト外尿道括約筋衛星細胞の増殖抑制とアポトーシス誘導を惹起し、その阻害薬であるinfliximabはこれらの作用を阻害することより、抗TNF-α治療薬は高齢者尿失禁の治療薬あるいは予防薬として有効である可能性が示唆された.
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