研究課題/領域番号 |
20591886
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
佐々木 昌一 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (50225869)
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研究分担者 |
窪田 泰江 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 助教 (00381830)
小島 祥敬 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (60305539)
岡田 真介 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 研究員 (40381818)
高田 麻沙 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 研究員 (60468254)
郡 健二郎 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (30122047)
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キーワード | KIT陽性間質細胞 / サイクロフォスファミド / BOO(膀胱流出路閉塞)モデル / ラット / SCF |
研究概要 |
膀胱流出路閉塞(BOO)およびサイクロフォスファマイド膀胱炎モデルにおけるKit陽性間質細胞情報伝達機構を解明するために、以下の実験を行った。 尿道から20Gのサーフローを留置し3-Osilkで結さっし膀胱流出路閉塞モデルラットを作成した。またサイクロフォスファミド100mg/kgを腹腔内投与し、膀胱炎モデルラットを作製した。術後経時的に尿量計測装置を用いて排尿記録を取り、過活動膀胱の診断基準に合致する排尿記録上の変化が現れたら膀胱内圧測定を行なう。その後摘出した膀胱の組織学的検討をHE染色にて、また膀胱粘膜下組織、筋層組織におけるKit陽性細胞、SCF陽性細胞の局在や染色性については免疫抗体法により検討した。また排尿パターンとの相関についても評価した。 結果はKit陽性間質細胞が、膀胱粘膜下層および漿膜即を中心に、閉塞膀胱モデルおよび膀胱炎モデルラットにおいて正常コントロールより増加していた。またこれは閉塞期間に比例して増加する傾向にあった。また閉塞膀胱では1回排尿量がコントロールと比べ有意に減少しており、膀胱内圧測定ではnon-contraction voiding(排尿前収縮)も異常に増加していた。Kit抑制因子であるグリベックの投与により、BOOモデルおよび膀胱炎モデルラットにおいて排尿圧を変化させることなくnon-contraction voidingを抑制し、排尿間隔を延長させた。 以上からKit陽性間質細胞は細胞間情報伝達の経路として、また神経筋伝達の介在細胞として働いており、過活動膀胱の病態では尿路上皮から求心性知覚神経へのシグナル伝達に関与している可能性が考えられた。
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