KIT陽性間質細胞情報伝達機構の解明と過活動膀胱に対する新規分子標的治療の開発

2010 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 20591886
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 配分区分: 補助金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 泌尿器科学
• 研究機関: 名古屋市立大学
• 研究代表者: 佐々木 昌一 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 准教授 (50225869)
• 研究分担者: 窪田 泰江 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (00381830) ; 小島 祥敬 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (60305539) ; 岡田 真介 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 研究員 (40381818) ; 高田 麻沙 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 研究員 (60468254) ; 郡 健二郎 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (30122047)
• 研究期間 (年度): 2008 – 2010
• キーワード: KIT陽性間質細胞 / 細胞増殖 / Glivec / Bcr-Abl / マウス / BOO(膀胱流出路閉塞)モデル / 過活動膀胱 / KIT変異ラット

研究概要

モルモットを用いてBOOモデルを作成し、過活動膀胱の発症機序について検討したところ、Kit陽性ICC様細胞は、BOOモデルの膀胱粘膜下層および漿膜側を中心に、正常膀胱に比べ増加していた。またSCF は尿路上皮を中心に発現が増加していた。BOOモデル動物ならびに膀胱炎も出るラットにイマニチブを投与したところ、排尿圧を変化させることなく、non-voiding contractionを抑制し、排尿間隔を延長させることが判った。この結果からKitがICC様細胞を介して過活動膀胱の発症機序に関与している可能性が示唆された。

研究成果

• [雑誌論文] TRPM8-expressing dorsal root ganglion neurons project dichotomizing axons to both skin and bladder in rats. (2011)
  • 著者名/発表者名: Shibata Yasuhiro, Ugawa Shinya, Imura Makoto, Kubota Yasue, Ueda Takashi, Kojima Yoshiyuki, Ishida Yusuke, Sasaki Shoichi, Hayashi Yutaro, Kohri Kenjiro, Shimada Shoichi
  • 雑誌名: NeuroReport 185 ページ: 1053-1057
  • 査読あり
• [雑誌論文] Correlation between expression of α1-adrenoceptor subtype mRNA and severity of lower urinary tract symptoms or bladder outlet obstruction in benign prostatic hyperplasia patients. (2011)
  • 著者名/発表者名: Kojima Yoshiyuki, Sasaki Shoichi, Imura Makoto, Kubota Yasue, Hayashi Yutaro, Kohri Kenjiro
  • 雑誌名: BJU International 104 ページ: e-pub
  • 査読あり
• [雑誌論文] Characterization of α(1)-adrenoceptor Subtypes Mediating Contraction in Human Isolated Ureters. (2011)
  • 著者名/発表者名: Sasaki S, Tomiyama Y, Kobayashi S, Kojima Y, Kubota Y, Kohri K
  • 雑誌名: Urology 762 ページ: e13-e17
  • 査読あり
• [雑誌論文] 過活動膀胱患者に対するイミダフェナシンの早期治療効果の検討 (2010)
  • 著者名/発表者名: 窪田泰江、佐々木昌一、小島祥敬、早瀬麻沙、井村誠、柴田泰宏、郡健二郎
  • 雑誌名: 泌尿器外科 23 ページ: 827-832
  • 査読あり
• [雑誌論文] 膀胱排尿筋収縮とNO. (2010)
  • 著者名/発表者名: 矢内良昌、佐々木昌一、窪田泰江、橋谷光、郡健二郎
  • 雑誌名: 排尿障害プラクティス 18 ページ: 21-24
• [雑誌論文] Dietary soy isoflavone replacement improves detrusor overactivity of ovariectomized rats with altered connexin-43 expression in the urinary bladder. (2009)
  • 著者名/発表者名: Okada Shinsuke, Kojima Yoshiyuki, Hamamoto Shuzo, Mizuno Kentaro, Sasaki Shoichi, Kohri Kenjiro
  • 雑誌名: BJU International 103 ページ: 1429-1435
  • 査読あり
• [雑誌論文] LUTSの遺伝子診断 (2009)
  • 著者名/発表者名: 佐々木昌一、窪田泰江、小島祥敬、郡健二郎
  • 雑誌名: Urology View 17 ページ: 103-107
• [雑誌論文] 中高年女性の尿失禁 (2009)
  • 著者名/発表者名: 窪田泰江、佐々木昌一、郡健二郎
  • 雑誌名: 日本医師会雑誌 138 ページ: 925
• [雑誌論文] α_1遮断薬の過活動膀胱への効果 (2009)
  • 著者名/発表者名: 佐々木昌一、小島祥敬、窪田泰江
  • 雑誌名: 泌尿器外科 22 ページ: 1512-1513
  • 査読あり
• [雑誌論文] Altered distribution of interstitial cells in the guinea pig bladder following bladder outlet obstruction. (2008)
  • 著者名/発表者名: 窪田泰江, 橋谷光, Shirasawa Nobuyuki, 小島祥敬, 佐々木昌一, Mabuchi Yoshio, Soji Tsuyoshi, Suzuki Hikaru, 郡健二郎
  • 雑誌名: Neurourol Urodyn 27 ページ: 330-340
  • 査読あり
• [学会発表] The role of T type Ca channel expressed in bladder primary sensory neurons in the rat. (2010)
  • 著者名/発表者名: 柴田泰宏, 井村誠, 早瀬麻沙, 窪田泰江, 小島祥敬, 佐々木昌一, 郡健二郎
  • 学会等名: Nagoya Shinshu Forum 2010
  • 年月日: 20101001-20101002
• [学会発表] 膀胱支配一次知覚神経上のT型Caチャンネルの役割と過活動膀胱に対する新規治療ターゲットの可能性 (2010)
  • 著者名/発表者名: 柴田泰宏、小島祥敬、井村誠、早瀬麻沙、窪田泰江、佐々木昌一、林祐太郎、郡健二郎
  • 学会等名: 第17回日本排尿機能学会
  • 発表場所: 甲府市
  • 年月日: 20100929-20101001
• [学会発表] Convergence of bladder and skin primary sensory neuron expressing TRPM8. (2010)
  • 著者名/発表者名: Shibata Yasuhiro, Kojima Yoshiyuki, Hamakawa Takashi, Imura Makoto, Hayase Masa, Kubota Yasue, Ueda T, Sasaki Shoichi, Ugawa S, Kohri Kenjiro
  • 学会等名: Annual Meeting of the International Continence Society
  • 発表場所: Toronto(Canada)
  • 年月日: 20100823-20100827
• [学会発表] Attenuation of bladder overactivity in kit (WS/WS)mutant rats. (2010)
  • 著者名/発表者名: 佐々木昌一, 小島祥敬, 窪田泰江, 岡田真介, 井村誠, 早瀬麻沙, 柴田泰宏, 濱川隆, 郡健二郎
  • 学会等名: Annual Meeting of the International Continence Society
  • 発表場所: Toronto(Canada)
  • 年月日: 20100823-20100827
• [学会発表] Attenuation fo the bladder overactivity in kit(WS/WS) mutant rats. (2010)
  • 著者名/発表者名: 佐々木昌一, 小島祥敬, 岡田真介, 柴田泰宏, 井村誠, 早瀬麻沙, 窪田泰江
  • 学会等名: AUA 2010 Annual Meeting
  • 発表場所: San Francisco, USA
  • 年月日: 20100529-20100603
• [学会発表] A kit ligan, stem cell factor as a possible mediator inducing overactive bladder. (2010)
  • 著者名/発表者名: 窪田泰江, 小島祥敬, 早瀬麻沙, 佐々木昌一, 郡健二郎
  • 学会等名: AUA 2010 Annual Meeting
  • 発表場所: San Francisco, USA
  • 年月日: 20100529-20100603
• [学会発表] 膀胱支配一次知覚神経上のT型Caチャンネルの発現 (2010)
  • 著者名/発表者名: 柴田泰宏、小島祥敬、水野健太郎、井村誠、最上徹、佐々木昌一、林祐太郎、郡健二郎
  • 学会等名: 第98回日本泌尿器科学会総会
  • 発表場所: 盛岡市
  • 年月日: 20100427-20100430
• [学会発表] Altered distribution of interstitial cells in the guinea pig bladder following bladder outlet obstruction. (2010)
  • 著者名/発表者名: 窪田泰江, 橋谷光, 小島祥敬, 佐々木昌一, 早瀬麻沙, 鈴木光, 郡健二郎
  • 学会等名: The 6^<th> International Symposium on ICC
  • 発表場所: Miyazaki
  • 年月日: 20100208-20100210
• [学会発表] マウス膀胱平滑筋の自発活動におけるK channelの役割 (2009)
  • 著者名/発表者名: 早瀬麻沙、橋谷光、柴田泰宏、井村誠、窪田泰江、小島祥敬、伊藤恭典、佐々木昌一、鈴木光、郡健二郎
  • 学会等名: 第16回日本排尿機能学会
  • 発表場所: 福岡市
  • 年月日: 20090910-20091012
• [学会発表] 過活動膀胱におけるKit陽性間質細胞の役割 (2009)
  • 著者名/発表者名: 窪田泰江、小島祥敬、早瀬麻沙、佐々木昌一、橋谷光、鈴木光、郡健二郎
  • 学会等名: 第51回日本平滑筋学会総会
  • 発表場所: 名古屋市
  • 年月日: 20090722-20090723
• [学会発表] マウス膀胱平滑筋の自発活動制御におけるK channelの役割 (2009)
  • 著者名/発表者名: 早瀬麻沙、橋谷光、山田健司、窪田泰江、小島祥敬、伊藤恭典、佐々木昌一、郡健二郎、鈴木光
  • 学会等名: 第51回日本平滑筋学会総会
  • 発表場所: 名古屋市
  • 年月日: 20090722-20090723
• [学会発表] Dietary soy isoflavone replacement improves detrusor overactivity of ovariectomized rats with alteration of connexin-43 expression in the urinary bladder. (2009)
  • 著者名/発表者名: 岡田真介, 小島祥敬, 濱本周造, 水野健太郎, 窪田泰江, 佐々木昌一, 津ヶ谷正行, 郡健二郎
  • 学会等名: AUA 2009 Annual Meeting
  • 発表場所: Chicago(USA)
  • 年月日: 20090425-20090430
• [学会発表] cyclophosphamide誘発膀胱炎モデルラットにおけるKIT陽性間質細胞の役割 (2009)
  • 著者名/発表者名: 岡田真介、小島祥敬、濱川隆、伊藤尊一郎、柴田泰宏、井村誠、早瀬麻沙、窪田泰江、佐々木昌一、津ヶ谷正行、郡健二郎
  • 学会等名: 第97回日本泌尿器科学会総会
  • 発表場所: 岡山市
  • 年月日: 20090416-20090419
• [学会発表] マウス膀胱平滑筋の自発活動制御におけるK channelの役割 (2009)
  • 著者名/発表者名: 早瀬麻沙、橋谷光、窪田泰江、小島祥敬、加藤誠、佐々木昌一、鈴木光、郡健二郎
  • 学会等名: 第97回日本泌尿器科学会総会
  • 発表場所: 岡山市
  • 年月日: 20090416-20090419
• [学会発表] 過活動膀胱におけるKit陽性間質細胞の役割 (2008)
  • 著者名/発表者名: 窪田泰江、橋谷光、小島祥敬、早瀬麻沙、佐々木昌一、鈴木光、郡健二郎
  • 学会等名: 第59回名古屋市立大学医学会総会
  • 発表場所: 名古屋市
  • 年月日: 2008-12-07
• [学会発表] 卵巣摘除ラットの排尿状態におけるisoflavone 投与の影響 (2008)
  • 著者名/発表者名: 岡田真介、小島祥敬、濱川隆、伊藤尊一郎、柴田泰宏、井村誠、早瀬麻沙、濱本周造、水野健太郎、窪田泰江、佐々木昌一、津ヶ谷正行、郡健二郎
  • 学会等名: 第58回日本泌尿器科学会中部総会
  • 発表場所: 大津市
  • 年月日: 2008-11-15
• [学会発表] 過活動膀胱におけるイミダフェナシンの有用性の検討 (2008)
  • 著者名/発表者名: 窪田泰江、佐々木昌一、小島祥敬、早瀬麻沙、池内隆人、山田泰之、石黒良彦、新美明達、田貫浩之、河合徹也、平尾寛昭、郡健二郎
  • 学会等名: 第58回日本泌尿器科学会中部総会
  • 発表場所: 大津市
  • 年月日: 2008-11-15
• [学会発表] クエン酸アルベリンのモルモット膀胱平滑筋に対する作用 (2008)
  • 著者名/発表者名: 早瀬麻沙、橋谷光、矢内良昌、窪田泰江、小島祥敬、加藤誠、佐々木昌一、鈴木光、郡健二郎
  • 学会等名: 第58回日本泌尿器科学会中部総会
  • 発表場所: 大津市
  • 年月日: 2008-11-15
• [学会発表] 卵巣摘除ラット膀胱におけるisoflavone投与の影響とconnexin-43発現の変化 (2008)
  • 著者名/発表者名: 岡田真介、小島祥敬、濱川隆、柴田泰宏、井村誠、早瀬麻沙、水野健太郎、窪田泰江、伊藤尊一郎、佐々木昌一、津ヶ谷正行、郡健二郎
  • 学会等名: 第15回日本排尿機能学会
  • 発表場所: 東京都
  • 年月日: 2008-09-12
• [学会発表] Expression level and role in ureteral contraction of alpha1-adrenoceptor subtypes in human ureter. (2008)
  • 著者名/発表者名: Sasaki Shoichi, Itoh Yasunori, Kojima Yoshiyuki, Kubota Yasue, Hayase Masa, Tomiyama Yoshitaka, Kobayashi Shinya, Hoyano Yuji, Yamazaki Yoshinobu, Kohri Kenjiro
  • 学会等名: AUA 2008 Annual Meeting
  • 発表場所: Orland(Florida USA)
  • 年月日: 2008-05-20
• [学会発表] Altered distribution of interstitial cells in the guinea pig bladder following bladder outlet obstruction. (2008)
  • 著者名/発表者名: 窪田泰江, 小島祥敬, 佐々木昌一, 早瀬麻沙, 岡田真介, 郡健二郎
  • 学会等名: AUA 2008 Annual Meeting
  • 発表場所: Orland(Florida USA)
  • 年月日: 2008-05-20
• [学会発表] モルモット膀胱平滑筋におけるクエン酸アルベリンの作用機序の検討 (2008)
  • 著者名/発表者名: 早瀬麻沙、橋谷光、矢内良昌、池内隆人、佐々木昌一、鈴木光、郡健二郎
  • 学会等名: 第96回日本泌尿器科学会総会
  • 発表場所: 横浜市
  • 年月日: 2008-04-26
• [学会発表] ヒト尿管における部位別に見た収縮力とα1-アドレナリン受容体遮断薬の効果 (2008)
  • 著者名/発表者名: 佐々木昌一、伊藤恭典、小島祥敬、早瀬麻沙、窪田泰江、富山愛隆、小林真也、保屋野雄志、山崎芳伸、郡健二郎
  • 学会等名: 第96回日本泌尿器科学会総会
  • 発表場所: 横浜市
  • 年月日: 2008-04-26
• [学会発表] 過活動膀胱に対するKitチロシンキナーゼ阻害薬の作用機序の解明と治療薬への可能性 (2008)
  • 著者名/発表者名: 窪田泰江、岡田淳志、佐々木昌一、郡健二郎
  • 学会等名: 第96回日本泌尿器科学会総会
  • 発表場所: 横浜市
  • 年月日: 2008-04-26
• [図書] Horizons in Cancer Research.(New Insights into Alpha1-Adrenoceptor sobtypes and pharmacogenomics of benign prostatic hyperplasia.)(Morrison EP(eds)) (2010)
  • 著者名/発表者名: Kojima Yoshiyuki, Sasaki Shoichi, Kubota Yasue, Hayashi Yutaro, Kohri Kenjiro
  • 総ページ数: 66-101
  • 出版者: Nova Science Publishers, Inc.