研究課題/領域番号 |
20591890
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研究機関 | 明治国際医療大学 |
研究代表者 |
本城 久司 明治国際医療大学, 鍼灸学部, 助教 (30351357)
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研究分担者 |
岡田 晃一 明治国際医療大学, 医学教育研究センター, 講師 (10326233)
北小路 博司 明治国際医療大学, 鍼灸学部, 教授 (70204881)
中尾 昌宏 明治国際医療大学, 医学教育研究センター, 教授 (00188880)
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キーワード | 膀胱機能障害 / 脊髄損傷 / 再生医療 / Neuromodulation / 鍼刺激 |
研究概要 |
胸髄8/9レベルにおいて切断する脊髄損傷モデルラットを作成し、損傷作成28日後に仙骨部の鍼刺激によるNeuromodulationを行い、覚醒下で膀胱内圧を測定し膀胱機能に対する影響を検討した。鍼刺激により、排尿収縮圧は変化しない状態で排尿に到らない膀胱収縮(Non-voiding contraction ; NVC)の出現頻度が抑制され、排尿間隔の延長が観察された。 他方、NVCを呈するモデルとして、尿道閉塞ラットモデルを用いて覚醒下で膀胱内圧を測定し、仙骨部鍼刺激によるNVCの抑制機序について検討した。その結果、尿道閉塞ラットモデル作成28日後に施行した仙骨部鍼刺激によって、脊髄損傷モデルラットと同様に排尿収縮圧に影響を及ぼさず、NVCが抑制された。また、非選択的α1受容体拮抗薬であるプラゾシンの静脈投与によってもNVCが抑制されたが、同時に排尿収縮圧も抑制された。このことから、NVCに対する仙骨部鍼刺激の抑制発現機序は、膀胱平滑筋に対する直接作用ではなく、過度な求心性情報を入力することに対する仙髄排尿中枢を介した抑制である可能性が示唆された。 さらに、脊髄損傷モデルラットにおいても、尿道閉塞ラットモデルにおいても、仙骨部鍼刺激による抑制効果は刺激後2~3時間程度で消失してしまうため、これはNeuromodulationによる一過性の抑制作用であり、再生医療において膀胱機能回復にNeuromodulationを適用する際の刺激条件について、さらなる検討が必要であると考えられた。
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