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2010 年度 実績報告書

心理ストレス反応に起因する中枢性性機能障害におけるメラノコルチン系の役割

研究課題

研究課題/領域番号 20591895
研究機関福井大学

研究代表者

三輪 吉司  福井大学, 医学部附属病院, 講師 (10209968)

研究分担者 横山 修  福井大学, 医学部, 教授 (90242552)
伊藤 秀明  福井大学, 医学部, 助教 (00345620)
キーワード心理ストレス / 生殖行動 / メラノコルチン系 / レプチン / Corticotropin releasing factor受容体
研究概要

平成22年度は前年度に引き続き心理ストレス負荷による雄性ラットの生殖行動低下に対するメラノコルチン受容体(MC3R/4R)作動薬(Melanotan II)投与の影響を行動学的に評価した。心理ストレス負荷により減弱した雄性ラット生殖行動はMelanotan II腹腔内投与により部分的に回復した。しかし投与量、投与タイミング、投与経路などの条件を変えても、対照群のレベルへ復帰しなかった。
そこでMC3R/4Rに作用するペプチドホルモンであるproopiomelanocortinやagouti-related proteinを産生分泌する視床下部弓状核に作用するレプチンに着目した。レプチンは主に脂肪細胞で産生・分泌されるホルモンで体重、代謝そして生殖に関わっており、やせや飢餓、各種ストレス負荷によって減少することが知られている。そこで対照群、心理ストレス負荷群で雄性ラット生殖行動と血中レプチン濃度を検討したところ、ストレス負荷群で血中レプチン濃度は減少し、両者は相関することが明らかになった。レプチンと生殖行動に関しては脳内に最も豊富に存在する神経ペプチドで、性行動に対して抑制的に作用するneuropeptide Y(NPY)を視床下部のレプチン受容体が一部抑制することが知られている。さらにNPYによる性行動抑制はcorticotropin releasing factor(CRF)受容体拮抗薬によって拮抗される。つまり心理ストレス負荷により減少したレプチンが性行動抑制系であるNPYを活性化させ、さらにストレス負荷により活性化した視床下部-下垂体-副腎皮質系はCRF分泌増加を介しNPYを活性化させると推察した。結局当初の予定とは異なるが臨床応用も検討されているCRF受容体拮抗薬が心理ストレス負荷により減弱した雄性ラット生殖行動を回復させることを見いだし、雑誌論文として公表できた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Effect of Corticotropin-Releasing Factor Receptor Antagonist on Psychologically Suppressed Masculine Sexual Behavior in Rats.2011

    • 著者名/発表者名
      Yoshiji Miwa, Keiko Nagase, Nobuyuki Oyama, Hironobu Akino, Osamu Yokoyama
    • 雑誌名

      J Sex Med

      巻: 8 ページ: 688-695

    • 査読あり
  • [図書] 今日の治療指針2010年版2010

    • 著者名/発表者名
      三輪吉司
    • 総ページ数
      4
    • 出版者
      医学書院

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公開日: 2012-07-19  

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