研究課題/領域番号 |
20591897
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
辻村 晃 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (40294053)
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研究分担者 |
宮川 康 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (70362704)
高尾 徹也 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (30379177)
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キーワード | 性欲障害 / 性欲中枢 / 視線解析 / 勃起障害 / 少子化 |
研究概要 |
性欲は本能の一つであり極めて重要であるが、ヒトの性欲中枢についてはこれまで十分に解明されたとはいえない状況であった。そこで、我々はこれまでに性的刺激ビデオを視聴覚しながらPET撮影を行い、性的興奮期には小脳虫部、プラトー期には被殻が特異的に活性化されていることを見いだした。さらに、性的刺激ビデオを視聴している最中の視線をリアルタイムに追跡する装置を考案し、被験者の視線軌跡を解析することで、性的刺激に対する興味度合いを評価した。まず、男性は女性の顔に関心を持ち(574%vs.37.6%;p<0.05)、女性は男性の体に関心を持つ(1.0%vs.5.5%;p<0.01)ことを明らかにした。また女性は性的表現領域以外の背景などを視ている時間が有意に多く、男性を対象に作成された性的ビデオに対してさほど興味を抱かない、もしくは差恥心からあまり凝視できない可能性を報告した。次に、男性の人格を質問票により数値化し、人格と性的興味を解析したところ、健康な男性では社会的内向性の度合いと裸体を視る割合が負の相関を示すことを見いだした。性的反応の時期による性的中枢部位の推移や、性的興味に関するこれらの知見は、これまでの研究では全く触れられておらず、新しい情報として性機能障害の診療に役立つものと考えられた。以上の結果を、下記のごとく和文総説、英文研究論文として報告し、国内で8回の講演、発表した。
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