シールドルームを用いる事が出来ない在宅時や遠隔通院時の状況で母体腹壁から10μVという低電位の胎児心電図を高精度で計測する為には、新しい電極作成技術が必要である。前年度は、Hioki社製LCRメーターを改良、胎児心電図シミュレーション装置を作成し電極素材(金属電極、絶縁体電極、半導体電極、特殊ゲル電極およびその組み合わせ)、厚み(2、4、8mm)と面積(1cm^2、2cm^2、5cm^2)・形状(長方形、正方形、扇型)の検討を行い、インピーダンスが最も小さく、且つ静電容量が大きな素材を電極素材の候補として特殊ゲル電極、厚み4mm、面積5cm^2が最適である事を確かめた。最適であった電極素材がゲルシートであり、これは薬事の承認済みゲル素材で作成したものであったため当初予定していた動物実験による素材の安全性検査は試行しなかった。本年度では、実際の妊婦に用い、その耐久性や最適な面積をさらに5cm×15cm、10cm×30cm、腹壁大とし実際の使用状況で検討した。あまり電極が大きいと周囲の状況で雑音を拾い安くなることが分かった。この場合15cm×5cmが最適であることが分かった。しかし、背中のレファレンス電極が、汗などの影響や母体の動きなどにより長時間計測で不安定になることが分かり、新たにホーム材などを組み合わせて電極をサポートし、装着の安定を行った。
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