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肺サーファクタント製剤と胎脂を用いて作成したサーファクテン・ミセル溶液の羊水腔内投与は、ウサギ胎仔小腸を、形態的にも機能的にも成熟させることが明らかとなった。また、サーファクテン・ミセル溶液は、ウサギ胎仔の小腸上皮に局所的・直接的に作用する可能性があることを明らかにした。
今年度は、サーファクテン・ミセル溶液が、ラット新生仔の壊死性腸炎を予防できるか否かを検討するための動物実験を立案した。
塞験1.1.Necrotizing enterocolitis procedure:出生直後のラット新生仔を、37℃のインキュベーターに移動させた。Similac PM60/40を用いて調整した人工乳を1日3回経腸投与した。100%CO_2に10分間、4℃の寒冷刺激に5分間、97%O_2に5分間暴露させた(1日2回)。実験開始4日目に、新生仔を安楽死させた。開腹下に、腸管の壊死、出血、変色、浮腫、拡張、気腫性変化等の壊死性腸炎の所見の有無を観察した。さらに、回腸末端を2cm摘出し、以下の検討に供した(Guven A et al.J Pediatr Surg.2009).
実験1.2.Histopathologic examination:摘出検体に、hematoxylin-eosin(HE)染色を行い、組織学的に検討した。
結果:実験中に死亡するラット新生仔が多発した。残念ながら、今後の実験に使用し得る壊死性腸炎モデルの作成には、未だ成功していない。しかしながら、一部の生存したラットの回腸は、壊死性腸炎の所見を呈した。
今後に向けて:壊死性腸炎モデルを確立した上で、今後のサーファクテシ・ミセル溶液の投与実験に繋げたい。
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