NEPとPTENの相互作用に着目した子宮内膜症発症機序の解明と新規治療法の開発

2011 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 20591912
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 配分区分: 補助金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 産婦人科学
• 研究機関: 名古屋大学
• 研究代表者: 岩瀬 明 名古屋大学, 医学部・附属病院, 講師 (20362246)
• 研究分担者: 後藤 真紀 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (90378125)
• 研究期間 (年度): 2008 – 2011
• キーワード: 生殖医学 / 子宮内膜症

研究概要

正所性子宮内膜間質細胞および子宮内膜症間質細胞で、Neutral endopeptidase(NEP), CD44(hyaluronan receptor), PTENが発現していること、NEP発現がプロゲステロン依存性に増強することを見出した。NEPとPTENは細胞内で結合していることが確認されたが、この結合によるPI3K-Akt経路への影響はなかった。一方、CD44依存性のヒアルロン酸への細胞接着が、NEP発現の増強によって減弱すること、この効果はNEPがCD44と細胞内骨格Ezrin/Radixin/Moesin(ERM)との結合を競合的に阻害することに起因することを見出した。NEP発現の増強による子宮内膜症治療の可能性が示唆された。

研究成果

• [雑誌論文] プロゲステロン依存性CD10発現の変化がCD44依存性細胞接着に影響を及ぼす (2011)
  • 著者名/発表者名: 岩瀬明、永友良成、巴雅蘇拉、中村智子、廣川和加奈、中原辰夫、滝川幸子、小林浩治、真鍋修一、後藤真紀、吉川史隆
  • 雑誌名: 日本エンドメトリオーシス学会会誌 巻: 32巻 ページ: 84-87
• [雑誌論文] Expression and localization of CXCL16 and CXCR6 in ovarian endometriotic tissues (2011)
  • 著者名/発表者名: Manabe S, Iwase A, Goto M, Kobayashi H, Takikawa S, Nagatomo Y, NakaharaT, Bayasula, Nakamura T, Hirokawa W, Kikkawa F
  • 雑誌名: Arch Gynecol Obstet 巻: (in press)
  • 査読あり
• [学会発表] 子宮内膜症間質細胞においてneutral endopeptidaseはプロゲステロンにより誘導され、細胞骨格-CD44結合を阻害し、細胞外マトリックスであるヒアルロン酸への接着を阻害する (2011)
  • 著者名/発表者名: 岩瀬明、後藤真紀、真鍋修一、中村智子、廣川和加奈、中原辰夫、小林浩治、滝川幸子、吉川史隆
  • 学会等名: 第63回日本産科婦人科学会学術講演会
  • 発表場所: 大阪
  • 年月日: 2011-08-30
• [学会発表] 【ワークショップ】子宮内膜症の成因に関する基礎的研究,プロゲステロン依存性CD10発現の変化が、CD44依存性細胞接着に影響を及ぼす (2011)
  • 著者名/発表者名: 岩瀬明、永友良成、巴雅蘇拉、中村智子、廣川和加奈、中原辰夫、滝川幸子、小林浩治、真鍋修一、後藤真紀、吉川史隆
  • 学会等名: 第32回日本エンドメトリオーシス学会学術講演会
  • 発表場所: 東京
  • 年月日: 2011-01-22