研究概要 |
子宮内膜症は生殖年齢女性のおよそ10%に発生し,疼痛と不妊を引き起こし現代女性のリプロダクティブヘルスを損なう疾患である。本研究では、私どもが進めてきたサイトカインによる増殖進展機構の更なる解明と異所性に内膜細胞が生存していく上での細胞死の役割を検討した。 炎症反応惹起あるいはアポトーシス誘導モデルとしてLPSとStaurosporin (SS)を添加した。SS添加によるアポトーシス誘導後の生細胞数は、子宮内膜症細胞で多くアポトーシス感受性の低下がみられた。子宮内膜細胞では、SS添加によりCaspase-3および-7蛋白の強い活性化がみられたが、内膜症細胞ではみられなかった。IAP familyの遺伝子発現量をRT-PCRで検討すると、IAP familyの遺伝子の中では、BIRC-5 (survivin)の発現がSS添加により増強したが、BIRC-2、-3、-4に関しては発現に変化はみられなかった。子官内膜症細胞への、survivin siRNA導入による遺伝子発現抑制により、アポトーシス細胞比率の増加と、Caspase-3および-7蛋白活性の増強を認められ、子宮内膜症細胞のアポトーシス抵抗性にはsurvivinが関与していることが示唆された。 手術摘出標本を用いた免疫染色では、survivinは卵巣チョコレート嚢胞の上皮・間質ともに正所性子宮内膜に比して強発現を認めた。
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