【目的】機能的黄体退縮におけるProstaglandin F2α(PGF2α)の関与が知られている。今回、機能的黄体退縮におけるcyclooxygenase-2(COX-2)-PGF2α系の関与を偽妊娠ラットの黄体退縮において検討した。【方法】1)偽妊娠ラットでの自然黄体退縮過程におけるCOX-2、PGF2αの経時的変化を検討した。SD系雌ラットを用い、子宮頸管刺激にて偽妊娠を誘導し、黄体期初期(3、5日目)、中期(7、9日目)、退縮期(11、13日目)の黄体を採取し、血中プロゲステロン濃度、黄体内PGF2α濃度、COX-2mRNA発現を測定した。2)PGF2α投与により機能的黄体退縮を誘導した偽妊娠ラットでのCOX-2、PGF2αの変化を検討した。偽妊娠7日目にPGF2α(3mg/kg body)を皮下投与し、投与後2、6、24時間後の黄体を採取し、血中プロゲステロン濃度、黄体内のPGF2α濃度、COX-2mRNA発現を測定した。controlとしてPBSを投与した。3)選択的COX-2阻害剤であるNS-398(10mg/kg・body)をPGF2αと同時に皮下投与し、投与24時間後の黄体内PGF2α濃度を測定した。【結果】1)黄体内PGF2α濃度は、偽妊娠の3日目以後漸増し、13日目に最も高値を示した。COX-2mRNAは、偽妊娠11日目に有意な増加を認めた。2)PGF2α投与により、黄体内COX-2mRNA発現は2時問後に有意に増加し、黄体内PGF2α濃度は24時間後に有意に増加した。3)PGF2α投与による24時間後の黄体内PGF2α濃度の増加は、NS-398投与により抑制された。【結論】黄体退縮期において、黄体内のCOX-2発現とPGF2α濃度の増加がみられた。PGF2α投与によりCOX-2発現とPGF2α濃度の増加がひきおこされたことから、機能的黄体退縮におけるPGF2αの産生には、PGF2αによるCOX-2を介したPGF2α産生増加という機序が関与していることが考えられた。
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