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2008 年度 実績報告書

培養によらない細菌・真菌の定量と菌種同定法を用いた膣常在細菌叢と疾患の解析

研究課題

研究課題/領域番号 20591923
研究機関福島県立医科大学

研究代表者

錫谷 達夫  福島県立医科大学, 医学部, 教授 (40196895)

研究分担者 佐藤 章  福島県立医科大学, 医学部, 教授 (30004948)
石岡 賢  福島県立医科大学, 医学部, 助教 (50305356)
金子 久俊  福島県立医科大学, 医学部, 助教 (90360007)
キーワード細菌 / 菌類 / 感染症 / ゲノム
研究概要

培養を基盤とする現行の微生物検査では、培養法が確立されていない未知の微生物による疾患を診断することは出来ない。また、常在菌が疾患の原因となる場合には、定量的な解析を行っていない現在、疾患の原因菌なのか、単なる常在菌なのかを判別する方法はない。そこで、本研究では培養を用いない定量的なDNA解析により、膣に存在する細菌・真菌を解析し、膣の常在菌叢の総合的な解析と疾患の解析を行うとともに、新たな微生物検査の開発に取り組む。
本年度は福島県立医科大学附属病院の産婦人科を受診し、インフォームドコンセントが得られた患者・約100名から膣スメアーを採取し、我々が開発したi)検体に存在する総細菌数を定量出来るreal-time PCRとii)総真菌数を定量出来るreal-time PCR解析を行い、臨床診断との比較を行った。真菌の検査では、検体あたり1000コピー程度の菌は半数程度の検体から検出され、この程度の真菌は常在菌として存在することが明らかとなった。カンジダ膣炎の患者からは10^6コピーにも及ぶ真菌が検出され、菌数を参考に常在菌と感染症の原因菌とを区別できる診断法の可能が示唆された。
一方、細菌については閉経前と後で常在菌数に大きな隔たりがあり、高齢者ではほとんど菌が存在しない例もあった。菌叢の内容を既報のT-RFLP法によって解析した結果、容易に乳酸菌優位な健康な菌叢か、いわゆる清浄度の低い菌叢かを判別できることが再確認できた。
来年度はさらに真菌と細菌の菌種とそれぞれの数を解析する検査に改良し、膣の菌叢全体の変化と健康の関係を解析する予定である。また、本年の研究で、膣の常在真菌とは報告されていなかった真菌が何種か同定できた。これを更に進め、膣に存在し得る真菌種のリストを作成する計画である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] An improved rapid quantitative detection and identification method for a wide range of fungi.2009

    • 著者名/発表者名
      Soeta N, Terashima M, Gotoh M, Mori S, Nishiyama K, Ishioka K, Kaneko H, Suzutani T.
    • 雑誌名

      J. Med. Microbiol. (印刷中)

    • 査読あり

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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