研究課題/領域番号 |
20591925
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
杉浦 真弓 (小笠原 真弓) 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (30264740)
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研究分担者 |
三好 一郎 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (10183972)
尾崎 康彦 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (50254280)
鈴森 伸宏 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (70326148)
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キーワード | 習慣流産 / Leukemia Inhibitory Factor / GFPマウス / 骨髄移植 / 子宮内膜幹細胞 |
研究概要 |
すべての発生段階でほぼ全ての臓器で蛍光タンパクEGFPを発現するトランスジェニックマウスCXNEGFPを作成した。 CXNEGFPの子宮、卵巣を摘出し、組織をホルマリン固定し、凍結切片を作成した。鶴見大学解剖学黒田範行共同研究者の指導を受け、子宮内膜を蛍光顕微鏡で観察した。子宮内膜上皮細胞および間質細胞に特異的に蛍光がみられた。子宮筋層の蛍光は弱かった。念のため、anti-GFP蛍光組織染色法も行ったが蛍光強度は変わりなかったので今後は抗体を用いなくても内膜細胞の観察が可能であることが確認できた。 本年度はGFPマウスをドナーとしてC57BL/6メスマウスに骨髄移植を行い、どれくらいの時間でドナー由来の子宮内膜肝細胞が出現するかを徳島大学で指導を受け、実験をおこなう予定である。 習慣流産の半数以上は原因不明であり、10回以上流産した難治性習慣流産患者においては過去に有用性が報告された免疫療法、抗凝固療法、ステロイド療法を施行しても出産に成功しない。欧米では24回流産した習慣流産患者が代理出産によって生物学的に自身の児を出産したと報告されている。 2004年に骨髄移植によってドナー由来の幹細胞からレシピエントの子宮に内膜上皮と間質細胞が発生することが報告された。またヒト子宮内膜幹細胞の分離も可能であり、子宮内膜幹細胞移植の実現可能性が示されている。幹細胞移植によって難治性習慣流産患者は自分自身の子宮によって出産できる可能性がある。着床に必須であることが証明されているLeukemia Inhibitory Factor (LIF)欠損マウスがGFPマウスの骨髄移植によりドナー由来の子宮内膜細胞を導入することで出産可能となることを証明することが本研究の最終目的である。
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