研究課題/領域番号 |
20591931
|
研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
竹下 俊行 日本医科大学, 大学院・医学研究科, 教授 (60188175)
|
研究分担者 |
石橋 宰 日本医科大学, 医学部, 講師 (70293214)
菊池 邦生 日本医科大学, 医学部, 助教 (70374676)
富山 僚子 日本医科大学, 医学部, アシスタントサポートスタッフ (40409214)
|
キーワード | 生殖医学 / 卵巣 / 卵胞顆粒膜細胞 / microRNA |
研究概要 |
本研究は、卵胞顆粒膜細胞特異的microRNAが、卵胞顆粒膜細胞の機能制御を通して、卵胞の成熟と閉鎖の調節機構にどのように関わるか、分子レベルでの機能解明を目指すとともに、臨床応用(卵細胞の評価、癌治療等)につながる基盤研究を行うことを目的に研究を行った。卵胞顆粒膜細胞で機能しているmiRNAの標的分子の同定:ヒト卵巣顆粒膜細胞株(KGN細胞等)から抗Ago2抗体を用いた免疫沈降でmiRNA-Ago2複合体を回収し、複合体に結合しているmRNAをクローニング、シークエンス解析し、標的mRNAの同定を行った。miRNA-Ago2複合体と結合していたmRNAに、miR-21(miRNA-Ago2複合体を形成しているmiRNAのうち約80%を占有)の予測標的mRNAの1つであるCOL4A1を見出した。COL4A1 mRNAの3'-非翻訳領域を含むレポータープラスミドを構築し、ルシフェラーゼアッセイにより、COL4A1が標的mRNAであることを明らかにした。KGN細胞を用いたmiR-21発現抑制実験では、Western blotにてCOL4A1産物の発現増加を認めた。卵胞顆粒膜細胞特異的microRNAの機能解析:2本鎖のmiRNA前駆体疑似分子(Pre-miR)を用いて機能解析を継続して行った。24塩基のPre-miR分子をKGN細胞に導入したところ、アポトーシスが顕著に誘導されることを見出し、同様の現象は同様な短鎖2本鎖RNA(double-strand RNA;dsRNA)である合成small interfering RNAを用いた場合にも認められた。一方、アポトーシスは23塩基以下のdsRNAおよび長鎖2本鎖RNAでは認められなかった。短鎖2本鎖RNAはその塩基数に依存して顆粒膜細胞特異的にアポトーシスを誘導すること、さらにその作用はdsRNA結合蛋白質であるPKRやRIG-Iを介する新規機構であることを見出した。成果は投稿中である。
|