研究課題
(1)H20年度にヌードマウスを用いた子宮筋腫モデルマウスを作製し、アルドステロン阻害剤であるスピロノラクトンを経口投与し、in vitroで認めた掬制効果を検討したが、ラット子宮筋腫細胞であるELT-3細胞を用いたものであったため、ヒト子宮筋腫に対するin vivoでの効果検討が必要とされた。そこで、これまでヒト子宮筋腫を長期間維持できる適切なモデルがなかったため、今年度はヒト子宮筋腫移植モデルマウスを新たに開発した。今回開発したモデルでは、移植後8週でも筋腫の組織学的構築、エストロゲンレセプター・プロゲステロンレセプター蛋白発現、平滑筋特異マーカーであるαSMA蛋白発現が維持されており、ヒト子宮筋腫モデルとしては画期的なものである(特許出願中)。このモデルを用いることにより、スピロノラクトンに限らず、種々の薬剤の子宮筋腫に対するin vivoでの治療効果検討に応用しうることが期待できる。(2)このモデルを用いて、スピロノラクトンを経口投与し、in vivoでの抑制効果を検討した。投与8週の段階では、スピロノラクトン投与群では、非投与群と比較して、組織学的に明らかに子宮筋腫中の平滑筋生細胞数の減少、Ki-67陽性細胞数の減少、アポトーシス細胞数の増加を認めた。これより、スピロノラクトンのヒト子宮筋腫細胞増殖に対する抑制効果がin vivoでも明かとなり、実際のヒトに対するスピロノラクトン投与による子宮筋腫増殖抑制効果を検討する臨床研究にむけた、重要な基礎的情報が得られた。現在、さらに詳細な抑制メカニズムについての検討を加えている。
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Gynecol Endocrinol. (未定, 印刷中)
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http://www.kanpou.med.tohoku.ac.jp/study1.html