研究課題/領域番号 |
20591953
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
小川 伸二 九州大学, 大学病院, 助教 (60380391)
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研究分担者 |
小林 裕明 九州大学, 大学病院, 講師 (70260700)
園田 顕三 九州大学, 大学病院, 助教 (30294929)
矢幡 秀昭 九州大学, 大学病院, 助教 (30404065)
谷口 秀一 九州大学, 大学病院, 助教 (70452711)
和氣 徳夫 九州大学, 医学研究院, 教授 (50158606)
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キーワード | センチネルリンパ節 / 子宮頸癌 / 縮小手術 / sentinel node navigation surgery |
研究概要 |
従来からの研究の継続により確立したセンチネルリンパ節同定法(^<9m>Tc標識フィチン酸によるRI法)を用いて子宮頸癌手術におけるセンチネルリンパ節検査の症例数を蓄積した。また、症例を個別化してセンチネルリンパ節の術中迅速転移診断法(センチネルリンパ節を術中に同定・摘出してこれを術中迅速病理組織診へ提出し、その最大割面による捺印細胞診と病理組織診による転移診断を行う)を行っている。これらによりさらに症例数を蓄積することができ、解析に必要な症例数を確保することができた。 解析の結果、センチネルリンパ節の同定率は特にIb1期までの腫瘍径3cm以下の症例に限ると95%と高率であった。センチネルリンパ節を同定できなかった症例は全例が高度の頸部間質浸潤を伴っていた。また、骨盤リンパ節に転移を認めた症例の全例で同側のセンチネルリンパ節が同定された場合は少なくともセンチネルリンパ節に転移を認めた。すなわち偽陰性率は0%、陰性的中率は100%であり、本法の有用性を示すとともに子宮頸癌におけるセンチネル理論の妥当性を示唆するものであった。この結果は既に学会で報告済みであり、現在は論文投稿の準備を行っている。 さらにこれらの結果を基に進行期Ib1期までの腫瘍径3cm以下の症例を対象としてセンチネルリンパ節の転移の有無を術中診断して骨盤リンパ節郭清の省略を試みるいわゆるsentinel node navigation surgeryの臨床試験に向けて準備を進めている。
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