研究課題
HNF-1betaの下流には、解毒酵素としてUGT1A1、アネキシンA4(ANXA4)、ASK1、GPX3、GLRX、SOD2などの遺伝子群が過剰発現する。UGT1A1はCPT-11の解毒酵素であり、ANXA4はパクリタキセルの解毒酵素である。これらの解毒酵素が過剰発現している限り、明細胞腺癌の抗癌剤耐性は克服できない。将来の明.細胞腺癌の治療はHNF-1betaの発現を制御する分子標的治療が最も有力であろう。さらに、明細胞腺癌にはフェリチンが過剰発現している。これもHNF-1betaの下流遺伝子産物である。フェリチンが過剰発現している理由は以下のように考察された。すなわち、チョコレート嚢胞内に出血すると、凝固→線溶→溶血→ヘモグロビン→ヘムとグロビン→鉄の放出となり、過剰な鉄を除去する必要があると考えられる。すなわち、長期間子宮内膜症性嚢胞内で出血を繰り返すことにより、過剰鉄による酸化ストレスを介して遺伝子やタンパク質の酸化やメチル化が起こったり、loss of heterogeneity(LOH)が高頻度に観察されるようになる。この状態はすでに子宮内膜症のときにも起こっており、monoclonalityを持つようになる。これら酸化ストレスや炎症環境の持続的暴露により、癌抑制遺伝子が失われたり、癌遺伝子が活性化する細胞が出現する可能性がある。このような機序を介してtumor initiation、promotion、そしてprogressionが起こり、卵巣明細胞腺癌が発生するものと考えられる。
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