研究課題
基盤研究(C)
子宮内膜症から癌化した卵巣癌は明細胞腺癌が多く、この癌組織が他の卵巣癌と根本的に異なる点は、明細胞腺癌が細胞内にグリコーゲンを蓄積し、抗がん剤耐性を示し、細胞周期が遅く、抗アポトーシスを呈することである。この生物現象がHNF-1beta遺伝子操作により再現できるかどうか調べるため、卵巣癌細胞にHNF-1beta遺伝子導入した系とノックダウンした系を作成し、細胞形態の変化(グリコーゲン顆粒の存在)やシグナル伝達機構の変化について検討した。以上の生物学的解析を行って、HNF-1beta遺伝子の下流で制御される遺伝子群を網羅的に解析し、子宮内膜症から明細胞腺癌の発生・発癌過程のプロフィールを解明し、子宮内膜症からの発がん仮説を提示した。子宮内膜症の発生には慢性炎症と酸化ストレスが関与しており、内膜症細胞の生存シグナルに大きな影響を与えている。内膜症による反復する出血のため、蓄積したヘモグロビンによって酸化ストレス遺伝子が産生され、活性酸素種(ROS)等によるサイトカイン、血管新生因子、成長因子産生が相まって内膜症細胞が生存可能な状態になっている。転写因子HNF-1betaの過剰発現により解毒酵素が過剰発現しているが、酸化ストレスと解毒システムのバランスの崩壊ががん化に結びついている。すなわち、酸化ストレス優位の状態が長時間持続することによって、DNA損傷が起こるが、細胞周期が遅いためこの異常が修復されずに蓄積することにより発がんが起こると推定した(なお現在投稿中の原稿データについてはそれらに含まれる図表及び説明を割愛した)。
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