研究課題/領域番号 |
20591959
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
田中 哲二 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (80275255)
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研究分担者 |
松岡 俊英 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (70464675)
宇都宮 智子 和歌山県立医科大学, 医学部, 博士研究員 (60382355)
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キーワード | 抗癌剤 / 抗癌剤耐性 / death-associated protein kinase / メチル化 / エビジェネティックス |
研究概要 |
(1) Death-associated Protein Kinase(DAPK)による抗癌剤感受性制御の分子機序解析: (1) 子宮内膜癌細胞のDAPKノックダウンは癌細胞のFasシグナルを増強し(Eur J Obst Gynecol 2011)、TRAIL mRNA産生促進、TRAIL分子分泌促進、TRAIL受容体であるDR4およびDR5の発現促進、などから自分泌・傍分泌機序により、癌細胞をアポトーシスに導くことを証明した。これらの結果は、DAPKが癌免疫増強、アポトーシス増強による癌の分子標的治療の効率的分子標的の有力候補になることを証明した(Int J Oncol 2010)。 (2) これまで抗癌剤が全く無効で予後が極めて悪いと考えられてきた子宮癌肉腫細胞、子宮平滑筋肉腫細胞が、DAPKノックダウンにより、アポトーシスが誘発されることを証明した(Int J Oncol 2010)。これはDAPKが広範囲な分子標的治療の対象になり得ることを実証した。 (3) DAPKノックダウンによる抗癌剤感受性回復現象の特異性の解析:子宮内膜癌細胞株を用いたDAPKノックダウンにより、5FU耐性が著しく克服されたが、VP16耐性は全く回復せず、CDDP耐性は部分的に回復されることを証明した(Oncol Rep 2010)。しかし、独自に樹立した5FU耐性株(Int J Oncol 2010)を用いたDAPKノックダウンでは5FU感受性は回復しなかった(論文執筆中)。DAPKに対する分子標的治療に併用効果が期待される抗癌剤、有効な併用方法への知見を得た。 (2) 脱メチル化処理によるDAPK発現の調節と抗癌剤耐性度変化の解析: 抗癌剤耐性子宮頸癌株を用いた実験系で、脱メチル化処理によりDAPK発現を制御することにより、特定の抗癌剤感受性が回復できることを証明した。さらに、随伴各種制御分子の発現変動を証明した(諭文執筆中)。
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