昨年に引き続き、MYEOVの解析を進めるとともに、新期マーカーの検索を行った。 1.子官体癌組織をNOGマウスに移植し、マウス血清中に増加するヒト型IgGの認織抗原をSEREX法で同定し、MYOEV抗原を同定した。MYOEVは子宮体癌の細胞株および組織で高発現していた。さらに、組織型で類内膜腺癌G3とG1を比較したところ、G3で有意に高発現している症例が多かった。子宮体癌46例に対して定量的PCRを行い、MYEOVの発現解析を行って、高発現群(N=28)と低発現群(N=18)に分類した。生存曲線をLog rank testで比較したところ、高発現群で龍に再発率が高かりた(p=0.023)。このようにMYEOVは子宮体癌の予後因子と考えられた。一方、MYEOVに対する抗体保有率をMSI子宮体癌患者20例とMSS子宮体癌患者20例で比較したが、MYEOVを検出した患者以外には血清中の抗体を検出した症例はなかった。 2.治療後5年以上が経過し、完治したと考えられるMSI陽性子宮体癌患者の血清と、同一患者の治療前に採取・保存しておいた血清を用いて、それぞれが認識する抗原を同定し、治療後に消失する抗体の同定を試みた。まず、治療前の血清を5症例選択して混合し、SEREX法にて認職抗原を同定したところ、HDLBP、ACBD5、C10orf28、KIF20B、PAPBC1の5種の抗原が同定された。さらにこの抗原が治療5年後に、患者血清中から消失するか検討したところ、いづれも同一患者で検出され、子宮体癌のバイオマーカーとの結果は得られなかった。
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