中耳真珠腫の手術治療に用いられる自家組織の骨パテを用いた乳突充填術の安定性を検証し、充填乳突腔に真珠腫上皮が遺残した場合の術後変化について組織学的な検討を加えるため当初幼若ブタを用いた実験モデルを作成する予定であった。 しかし、実験を開始する前に幼若ブタ全般に人畜共通感染症(肝炎ウイルス)の危険性がある事が報告され、実験に使用予定であった幼若ブタの入手が不可能となった。本実験に使用する動物種としてはブタが最適であったが、入手、使用が禁止され、代替の実験動物に変更せざるを得ず急遽マウスを使用することとなった。 このため、マウスに変更した場合の新たな実験手技を確立する必要があり実験の進歩に遅延を生じたが、平成21年度中にマウスを用いた乳突腔充填術モデル、遺残性真珠腫モデルの実験系を構築することができた。今後はこれらの実験モデルによる組織学的検討を行っていく予定である。
|