研究課題/領域番号 |
20591975
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
将積 日出夫 富山大学, 大学院・医学薬学研究部(医学) 耳鼻咽喉科頭頸部外科学, 准教授 (60187507)
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研究分担者 |
坪田 雅仁 富山大学, 大学院・医学薬学研究部(医学) 耳鼻咽喉科頭頸部外科学, 研究協力員 (90436791)
堀 悦郎 富山大学, 大学院・医学薬学研究部(医学) システム情動科学, 准教授 (90313600)
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キーワード | サル / 強大音 / 誘発筋電位 / 外眼筋 / 球形嚢 |
研究概要 |
強大音により対側外眼筋に誘発される短潜時筋電位反応は、外眼筋前庭誘発筋電位(oVEMP)と呼ばれ、新しい平衡機能検査として、臨床応用が期待されている。しかし、oVEMPの起源や神経経路については基礎的な解明は十分に行われていない。そこで本研究では、oVEMP異常所見の診断学的な意義を検討するため、サルを用いてoVEMP検査のための障害動物モデルを作成した。ヒトoVEMPは、眼位により反応が異なり、上方固視のみで良好な記録が得られるため、訓練により上方固視の保持が可能なサルをモデル動物として用いた。本年度は、正常の無麻酔サルの眼窩周囲より強大音により誘発される外眼筋誘発筋電位反応を記録するため、使用するサルの訓練を含めた刺激記録システムの準備を行った。 記録時の頭部固定の目的に頭部固定ホルダーを作成した。ペントバルビタールおよび塩酸ケタミン麻酔下で、頭部皮膚を除去して、歯科用セメントで頭骨を覆い、頭部固定用ホルダーを作成した。手術中は、心電図および呼吸運動をモニターし、さらに直腸温モニターおよびヒーターを用いて直腸温を調節した。手術終了後、抗生物質及び鎮痛剤を投与し、7日間以上自由に摂水摂食させ回復させた。2週間以上の手術回復期間をおいた後、無麻酔サルを頭部固定用ホルダーをモンキーチェアーに備え付けてある脳定位固定装置に固定を開始した。この方法により、サルは無痛的にモンキーチェアに固定された。モンキーチェアーにサルが十分になれた段階で、サルを上方固視させよう訓練を行った。訓練中は、ジュースあるいはゼリービーンズ等を適宜与えてストレスの軽減を図った。oVEMP記録には、眼球下方の頬部皮膚に1組の銀塩化銀電極を装着した。音刺激を外耳道に適切に与えるにイヤーモールドを作成した。引き続き次年度では、サルが記録条件下で上方固視可能となった時点で、強大クリック音の応答するoVEMPの誘発筋電位の潜時、振幅及び閾値の記録を行う。
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