研究課題
C57BL/6マウスは加齢による感音難聴の動物モデルとして広く使用されているが。生後1年で高度な難聴を認めるが、加齢とともに核酸の酸化ストレスマーカーである8-0G(ハイドロキシグアノシン)や、脂質過酸化のマーカーであるMDA(マロンデアルデヒド)の発現増強を認め、酸化ストレスが増加していると考えられる。またNOS IIやその下流のsGCやcGMPの発現増強も認めるとともにペロキシニトレートのマーカーであるニトロチロシンの発現増強も認めた。蝸牛全体のタンパクを抽出し、質量分析でプロテオミクス解析を行うと、発現の低下しているタンパクは、Gene Ontologyにより分子機能、生物学的プロセス、細胞内構成要素から機能分類を行うと、細胞内の代謝に関するものが多く、ミトコンドリア関連タンパクや抗酸化酵素の発現低下を認めた。内耳の器官培養を用いて、成長因子投与後のシグナル伝達を、免疫組織染色により評価する方法を確立した。in vitroの系で成長因子(VEGF)の刺激下で、ERK1/2のリン酸化が起こる経路を確認したが、薬物投与法に関しては、全身投与のほかに、中耳鼓室からの局所投与があるが、中耳と内耳の間には正円窓という透過性の高い膜があり、鼓室内に薬剤を投与すれば内耳内に高濃度に薬剤を移行させることが可能である。器官培養での知見を集積することにより成長因子の投与の内耳保護効果の機構が明らかになる可能性があり、加齢による難聴や騒音性難聴の治療や予防に役立つものと考える
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International Journal of Immunogenetics
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