研究課題
in vitroでの研究では成熟後もラセン神経節細胞の前駆細胞が存することが示唆されているが、前駆細胞の存在部位は未だ不明であり、また、前駆細胞が存在するにもかかわらずなぜラセン神経節細胞は再生しないのか、という疑問に対して明瞭な回答は無い。本研究課題ではin vivoおよびin vitroでの手技を駆使して、ヒト等価の遺伝性難聴モデル動物と正常動物内耳におけるラセン神経節細胞前駆細胞の動態について析を開始した。初年度の平成20年度で下記を行った。1.ダブルトランスジェニック動物の作製2.発達・成熟過程におけるラセン神経節細胞前駆細胞に関する組織学的解析3.ラセン神経節細胞前駆細胞の培養系を用いた組織学的・生理学的解析1に関しては現在進行中であり、完成すればヒト等価の遺伝性難聴モデル動物での前駆細胞と予想している細胞の動態を観察することが可能となる。2に関してはヒト等価の遺伝性難聴モデル動物と正常動物内耳におけるラセン神経節細胞やその前駆細胞と予想している細胞の数を発達とともに比較検討している。成熟後も前駆細胞と予想している細胞が存在していることが明らかになったことから、内耳のin situ regeneratioへの展開を期待させる。3に関しては培養系において前駆細胞と予想している細胞から誘導した神経様細胞にて不十分ではあるが活動電位を認めた。このことは適切な誘導を行えば生体内でも神経様細胞に分化誘導が可能なことを示唆し、内耳のin situ regeneratioへの展開を期待させる。
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Exp Neurol (Epub ahead of print)
Exp Neurol 210
ページ: 248-56
Front Biosci. 13
ページ: 2165-76