研究分担者 |
牛迫 泰明 宮崎大学, 医学部, 助教 (10185001)
河野 浩万 宮崎大学, 医学部, 准教授 (20204745)
長町 茂樹 宮崎大学, 医学部, 准教授 (40180517)
小玉 隆男 宮崎大学, 医学部, 准教授 (40153564)
下薗 政巳 宮崎大学, 医学部, 助教 (80271138)
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研究概要 |
人工内耳の候補者として当科を受診した高度難聴のうち,本研究への参加の同意が得られた患者は6名であった。内訳は,先天聾小児3名と言語習得後失聴成人3名であり,片側の人工内耳埋込例2例(小児・成人各1例)含まれていた。小児例は他院で人工内耳埋込術後であったが,電気刺激への聴覚反応が殆ど得られなかった例,当科で手術を施行した成人例は人工内耳効果良好例であった。成人3例に対しては,電気刺激聴覚検査を施行し,全例で聴覚心理学的には陽性反応が確認された。 これらの症例に対し,人工内耳手術術前(2例は対側耳へ手術前)の段階でFDGスキャン注を用いた安静時のPET-CT検査を行った。得られたデータを,パーソナルコンピュータ上でSPM(statistical parametric mapping)ソフトウェアにて前交連を原点としてAC-PC平面に一致させ,SPM標準脳テンプレートを用いて被験者脳を標準化した後に,スムージングをかけて統計解析を行った。この結果,健聴コントロールに比べて有意な集積部位は認められなかった。 これらのデータをbaselineデータとして保存し,次年度には電気刺激または音声刺激下のPET-CT検査データと比較して賦活部位を検討する。個々の例における賦活部位検索とともに健聴者群と比較した賦活部位検索を行うことで,高度難聴者の聴覚中枢活動への影響を明らかにするとともに,両側人工内耳例に対しては一側刺激と両側刺激の効果の差を検討する。電気刺激時の聴覚心理学的評価結果や人工内耳成績の変化と対応させ,本検査法の臨床的意義を検討する。
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