• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2010 年度 実績報告書

内耳再生治療を目指して蝸牛外側壁線維細胞の再生因子の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20591996
研究機関岡山大学

研究代表者

孫 廣い  岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 外国人客員研究員 (40425773)

キーワード蝸牛外側壁線維細胞 / TGF / 骨髄間葉系幹細胞
研究概要

蝸牛線維細胞は難聴の発症、聴力の回復、および聴覚の維持に大きく関与していることが知られており、難聴治療には線維細胞の再生が重要である。難聴モデルラットの蝸牛に骨髄間葉系幹細胞(骨髄MSC)を移植した実験では、一部の幹細胞は傷害部位に生着し、聴力においても有意な回復が見られた。C3H成熟マウスの蝸牛線維細胞と骨髄MSCを共培養した実験では、骨髄MSCと蝸牛線維細胞の間で分化と増殖への相互作用が示唆された。
蝸牛線維細胞の増殖を促進する因子を特定するため、我々は抗体アレイ及び抗サイトカイン抗体アレイ法を用いて、骨髄MSCからの分泌因子を同定した.その結果,コントロール群と比較してMSCの培養上清から6種類の蛋白質が発現が上昇していることが確認された。その内、TGF-Betaという増殖因子が同定された.骨髄MSCの培養上清添加組と比べ、MSC上清の蝸牛線維細胞への増殖促進作用がTGF-Beta阻害剤の添加より一部抑制されたことが確認されたTGFβを単独で蝸牛線維細胞に添加した結果、線維細胞の増殖を促進することも確認された。これらの結果より、骨髄MSCから分泌されたTGFβは他の因子との相互作用により牛線維細胞の増殖を促進している可能性が示唆される。
本研究でTGF-Betaは蝸牛線維細胞の増殖に関与することがを解明した。増殖因子は既に幾つの組織において薬物治療として臨床応用がなされている。そこで、本研究から得られた因子は難聴治療の臨床応用にも新規治療薬としての実現性が高くなると予想される.今後、TGF-Betaを蝸牛線維細胞障害動物内耳に投与して、障害部位の線維細胞の増殖、聴力の回復に対する作用を検討する必要がある。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Acoustic overstimulation-induced apoptosis in fibrocytes of the cochlear spiral limbus of mice.2011

    • 著者名/発表者名
      Cui Y, Sun GW, Yamashita D, Kanzaki S, Matsunaga T, Fujii M, Kaga K, Ogawa K
    • 雑誌名

      Eur Arch Otorhinolaryngol

      巻: (Epub ahead of print)

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2012-07-19  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi