研究課題/領域番号 |
20591999
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
清水 猛史 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (00206202)
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研究分担者 |
瀬野 悟史 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (90378464)
柴山 将之 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (20402711)
星 恵理子 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (20467385)
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キーワード | リポキシン / プロスタグランディンE2 / 慢性副鼻腔炎 / 鼻茸 / 好酸球性副鼻腔炎 / アレルギー性鼻炎 / IL-8 / VEGF |
研究概要 |
上気道炎症における制御因子としてのリポキシンやプロスタグランディン(PG)E2の役割を検討した。 1) 慢性副鼻腔炎、好酸球性副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎患者の鼻汁中のリポキシン濃度をELISA法で測定した。鼻汁中には高濃度のリポキシンが存在し、慢性副鼻腔炎に比べてアレルギー性鼻炎、好酸球性副鼻腔炎で濃度が高い傾向を認めた。今後は症例を増やすと共に正常鼻汁の検討を行う予定である。 2) 慢性副鼻腔炎の手術時に採取した鼻茸や下甲介粘膜における、リポキシン受容体FPRL-1の局在について免疫組織化学的に検討した。リポキシン受容体は鼻茸では上皮細胞、浸潤する炎症細胞(主に好酸球)、血管内皮細胞に存在し、下甲介粘膜では上皮細胞、粘膜下腺上皮細胞、内皮細胞に認められた。今後は検体を増やし、疾患特異的な変化についても検討する予定である。 3) mucoepidermoid carcinoma由来の細胞株NCI-H292細胞におけるリポキシン受容体の発現をリアルタイムPCR法にて検討したが、この細胞株でのmRNA発現量は少なかった。 4) NCI-H292細胞で、リポキシンはTNFα刺激時のIL-8産生やMUC5AC蛋白産生影響を与えなかったが、VEGF産生を抑制する傾向が認められた。上述したようにこうした細胞株ではリポキシン受容体の発現が弱いため、今後、肺癌由来の細胞株であるA549細胞や気道の正常培養細胞による検討を行う予定である。 以上の結果からリポキシンが気道上皮細胞の受容体を介して気道炎症の制御に関わっている可能性が考えられる。
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