慢性副鼻腔炎の難治症例の臨床的な背景を検討した結果から、要因として鼻副鼻腔粘膜にウィルス感染に対する反応性の違いが存在するのではないかと考えた。本研究課題では、polyI:Cで刺激した線維芽細胞におけるIP-10やI-TACなどのIFN誘導性遺伝子の発現をDNAメチル基転換酵素阻害剤(脱メチル化剤)やヒストン脱アセチル化酵素阻害剤の処理前後で比較し、転写調節にDNAのメチル化状態やヒストンの修飾状態(アセチル化)が関与しているかを確認した。将来的には、難治性の慢性副鼻腔炎に対する有効な治療として、エピジェネティック制御化合物の創薬をめざすことを目標としている。
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