研究概要 |
これまでわれわれは喉頭扁平上皮癌細胞株HEp2から樹立した、シスプラチン耐性HEp2細胞株およびドセタキセル耐性HEp2細胞株を用いて、シスプラチンおよびドセタキセル耐性の機序についての研究を進めてきた。マイクロRNAの潜在的な役割についての近年の報告では, 悪性組織と正常組織におけるマイクロRNAの発現量が異なるとされ, 腫瘍形成にマイクロRNAが役割を担っていると考えられる. また, マイクロRNAの発現パターン解析が腫瘍の予後予測と治療法選択に役立つ可能性が示唆されている。これらの背景を元に、シスプラチンおよびドセタキセル耐性におけるマイクロRNAプロファイリングを行い、シスプラチンおよびドセタキセル併用放射線化学療法の治療効果、再発予測に関わるマイクロRNA発現パターンを明らかにすることを目的として、本年度は下記の研究を行った。 1. ドセタキセル感受性/耐性細胞間のマイクロRNA発現差異の検討 1)感受性細胞および耐性細胞からマイクロRNA画分を含むトータルRNAを分離 2)トータルRNAからマイクロRNAを含むスモールRNA分画を分離 3)マイクロRNA用に開発された特異的なステムループ構造を持つ逆転写プライマーセットを用いて各群でのマイクロRNAを増幅. 4)網羅的マイクロRNAアッセイをによりマイクロRNAプロファイリングを施行 5)感受性細胞および耐性細胞に特異的なマイクロRNAを複数同定、現在これらのマイクロRNAの発現差を確認中である。
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