研究課題/領域番号 |
20592009
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
岸部 幹 旭川医科大学, 医学部, 助教 (80447101)
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研究分担者 |
吉崎 智貴 旭川医科大学, 医学部, 助教 (60422052)
上田 征吾 旭川医科大学, 医学部, 助教 (90447102)
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キーワード | 扁桃病巣感染症 / IgA腎症 / 掌蹠膿疱症 / 咽頭・扁桃炎 |
研究概要 |
扁桃病巣疾患の一つとして掌蹠膿疱症がある。掌蹠膿疱症患者の扁桃T細胞におけるケモカインレセプターの発現を検討したところ、その一つであるCCR6の発現が亢進していることが示された。さらに末梢血中のCCR6の発現の程度と扁桃摘出術後の症状改善の程度とが相関を示した。掌蹠膿疱症皮膚ではCCR6のリガンドであるCCL20の発現が亢進していた。よって掌蹠膿疱症の病態の一つとしてCCR6を発現した扁桃Tリンパ球が末梢血を介して皮膚に浸潤するメカニズムが考えられ、本成果をClinical and experimental immunology誌に掲載した。 CD29はそのリガンドVCAM-1と共に細胞接着因子として同定された細胞表面マーカーだが、乾癬患者皮膚においてCD29陽性T細胞の浸潤と血管内皮におけるVCAM-1の発現が報告されており、CD29とVCAM-1を介するホーミングが病因として示唆されている。今回我々は掌蹠膿疱症においてCD29の発現を検討したところ、掌蹠膿疱症群における扁桃リンパ球および末梢血リンパ球においてCD29陽性T細胞の発現が反復性扁桃炎群に比し有意に上昇しており、扁摘1ヶ月後での末梢血CD29陽性T細胞の発現は掌蹠膿疱症患者において有意に低下した。また掌蹠膿疱症患者の足底皮膚において真皮乳頭層の血管内皮にVCAM-1の発現を認め、その周囲にCD29陽性T細胞の発現を認めた。さらに扁桃常在菌であるα連鎖球菌刺激培養では、S.sanguinis刺激群でCD29陽性T細胞の発現が掌蹠膿疱症群で有意に亢進した。よって掌蹠膿疱症において、CD29とVCAM-1を介したホーミングが病因の一つである可能性が示唆された。以上をThe 10^<th> Japan-Taiwan Conference in Oto-Rhino-Laryngology, Head and Neck Surgeryにて報告した。
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