研究課題/領域番号 |
20592017
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
三宅 成智 鳥取大学, 医学部附属病院, 医員 (60464278)
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研究分担者 |
河本 勝之 鳥取大学, 医学部, 助教 (50304217)
北野 博也 鳥取大学, 医学部, 教授 (20153108)
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キーワード | 温度受容 / 免疫染色 / VRI / TRPM8 / 咽喉頭領域 |
研究概要 |
生物は極端な高温・低温下ではその温度感覚に加えて痛みを感じるとされる。耳鼻咽喉科・頭頸部外科領域を受診する患者では、咽喉頭における温度受容の異常が疑われることがあるが、その詳細については不明である。我々は、カプサイシン受容体(VR1;vanilloid receptor type 1)を代表とするTRP (transient receptor potential)ファミリーの受容体がこれに関与しているのではと発想した。この温度受容体の分子機構に関して、特に重要と思われる低温(TRPM8)と高温(VR-1)の温度受容について明らかにする。 まずWistar系ラット(オス)の後根神経節および三叉神経におけるVR1やTRPM陽性神経細胞の存在や密度分布について、免疫組織化学的な解明を行うこととした。頸椎の後根神経節および三叉神経節を、安楽死、灌流固定後に摘出しゼラチンブロックを作成し20μで切片を作成した後、熱刺激受容にかかわるVR1、温刺激受容に関わるTRPM5、冷刺激受容に関わるTRPM8の1次抗体を用いた免疫染色を行った。VR1は後根神経節、三叉神経ともに染色され、TRPM8は後根神経節では染色されたが、三叉神経では染色されなかった。 TRPV-5は、後根神経節では染色されず、三叉神経で染色された。これまでのところ三叉神経での報告はない。同様に、咽喉頭粘膜および他の神経節(舌咽、迷走神経節)において、VR1やTRPM陽性神経細胞の関与する神経線維があるか、密度分布はどうかといった命題につき免疫染色で明らかとするべく染色を行っている。また咽喉頭にVR1やTRPM陽性神経が存在すれば、逆行性トレーサーを使用し同部の所属神経節の多重染色を行いVR1やTRPMの咽喉頭における神経ネットワーク関与について検討を重ねる。
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