研究課題/領域番号 |
20592022
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
梅崎 俊郎 九州大学, 大学病院, 講師 (80223600)
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研究分担者 |
安達 一雄 九州大学, 大学病院, 助教 (90380386)
中澤 健 千葉大学, 医学研究院, 講師 (10312943)
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キーワード | フェレット / fictive model / 孤束核 / 嚥下 / 延髄網様体 / 上喉頭神経 / ニューロビオチン / 軸索投射 |
研究概要 |
平成20年度は当初、これまでfictive swallowing modelとして確立していたネコが諸事情により入手困難となり、新たにフェレットを用いて、fictive swallowing modelを確立することなった。ネコ同様、除脳非動化して一側上喉頭神経を30Hz程度のネコの場合とほぼ同様のパラメータで電気刺激すると、舌咽神経や反回神経への出力パターにより嚥下が誘発されていることが判明し、フェレットによるfictive嚥下モデルをまず確立した。 次に、上喉頭神経電気刺激に対して順行性の入力を受ける細胞を、ガラス微小電極により孤束核および周囲の延髄網様態から細胞外あるいは細胞内記録し、嚥下時の発火パターンあるいは膜電位の変化から嚥下のパターン形成に関与する細胞であること確認した。ネコの場合と同様に嚥下に同期して一過性に脱分極する細胞が多く認められたが、その分布はネコでは孤束核から腹側の網様体にかけて広く分布していたが、フェレットでは孤束核周辺に多く認められる傾向がある。種差を考慮しなければならないかも知れない。 さらに、当初の予定では嚥下に関わる咽喉頭筋の運動ニューロンへの投射をspike-trigger averaging方で解析する予定であったが、これまでのネコで得られた知見がそのまま適応できないことを考慮し、神経軸索のトレーサーであるニューロビオチンおよびHRPを記録した嚥下関連細胞内に電気泳動的に注入し、軸索投射を形態学的手法を用いて追跡している。ある程度の傾向が判明すれば、電気生理学的手法とも併せて、嚥下のパターン形成に関わる細胞の機能的ネットワークの一部が解明できる可能性が見出せた。
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