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2009 年度 実績報告書

組織工学的手法を用いた新たな人工気管の開発と気管再生における上皮化機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20592024
研究機関福島県立医科大学

研究代表者

多田 靖宏  福島県立医科大学, 医学部, 講師 (70363760)

研究分担者 竹澤 俊明  独立行政法人農業生物資源研究所, 遺伝子組換え家畜研究センター, 主任研究員 (50301297)
横山 秀二  公立大学法人福島県立医科大学, 医学部, 助教 (80381408)
三浦 智広  公立大学法人福島県立医科大学, 医学部, 助教 (00423806)
キーワード再生 / 気管 / vitrigel / b-FGF / 気管上皮
研究概要

われわれの先の研究にて気管上皮層の形成を促進することを目的として、線維芽細胞を付加した人工材料の移植実験では上皮再生の促進効果が証明されている。本研究では培養細胞の代わりに成長因子(b-FGF)を用いることとし、コラーゲンゲル薄膜(vitrigel)にb-FGFを付加した人工材料の作成に成功した。これをラットの気管欠損に移植し、上皮化促進効果について組織化学的および形態学的に評価した。FGFを付加したFGF群と、FGFを付加しないvitrigel群について比較しそれぞれを評価した。
SDラットの気管に2×4mmの欠損を作成し、それぞれの材料を移植した。7日、14日後に鎮静後灌流固定を行い、再建材料を含め気管を摘出した。標本はパラフィン固定し、管状の標本を作成した。HE染色を行い気管欠損部における上皮、上皮下層の評価を中心に行った。評価する部位は気管欠損に被覆した人工材料の中央部分とした。FGF群7日モデルは一層の上皮層を認め、上皮下層では細胞侵入が確認された。FGF群14日モデルは上皮における核の重層化に加え、上皮下層の厚みが形成されていることが確認された。7日、14日モデルともに上皮化の程度はvitrigelモデルと比較し著明な差は認めなかったが、上皮下層の形成においてではFGFモデルはvitrigelモデルと比較し厚く形成されており、血管の新生も明らかに促進されていることが確認された。
過去の研究においてvitrigelは本来のコラーゲンスポンジと比較し上皮の形成を促進していることが確認されており、本研究ではb-FGFが上皮よりも上皮下層の形成に関与していることが分かった。b-FGF付加vitrigelを用いることで上皮下層の形成が促進されれば、血管新生や物理的な強度につながり、結果的には気管欠損部内腔の治癒促進につながると考えられた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Bio-engineered scaffold with fibroblast for tracheal regeneration in a rabbit model2010

    • 著者名/発表者名
      Okano W, Tada Y, et al
    • 雑誌名

      炎症再生学会 Vol.30

      ページ: 34-39

    • 査読あり
  • [学会発表] ビトリゲルとスポンジのハイブリッド型コラーゲン材料を用いた気管の再生2009

    • 著者名/発表者名
      多田靖宏
    • 学会等名
      公開シンポジウム:3次元培養担体として利用が進むコラーゲンビトリゲル研究の現状と展望
    • 発表場所
      東京都
    • 年月日
      2009-11-20
  • [学会発表] 気道の再生医療:臨床応用から基礎実験へのフィードバック2009

    • 著者名/発表者名
      多田靖宏
    • 学会等名
      第105回福島県地方部会
    • 発表場所
      福島市
    • 年月日
      2009-11-08

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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