研究課題/領域番号 |
20592026
|
研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
石川 和宏 自治医科大学, 医学部, 講師 (40296083)
|
研究分担者 |
市村 恵一 自治医科大学, 医学部, 教授 (00010471)
西野 宏 自治医科大学, 医学部, 准教授 (50245057)
石井 秀始 九州大学, 生体防御医学研究所, 学術研究員 (10280736)
|
キーワード | 癌幹細胞 / 癌治療 |
研究概要 |
近年、癌組織の中で化学療法や放射線治療に高い抵抗性を示す癌幹細胞が注目されている.癌幹細胞では非癌幹細胞とは異なる遺伝子変化を獲得することによりこのような治療抵抗性をしめすと考えられる.頭頸部癌細胞においても癌幹細胞が存在し、CD133等の表面マーカーが陽性になると考えられている.我々は頭頸部癌細胞での遺伝子増幅について検討した.頭頸部癌細胞では11q13領域の遺伝子増幅が知られているが、癌幹細胞で本領域の遺伝子増幅を認めた.本領域にはDNA損傷後のチェックポイント応答に関与するRad9遺伝子が位置する.これまでの我々の検討によりRad9は重要な癌抑制遺伝子TP53の転写産物p53蛋白質と直接相互作用することが明らかになったことから頭頸部癌患者の臨床検体を用いてRad9とp53の局在を検討した.免疫組織学的検討でRad9とp53は同一の領域に発現していた。特に癌組織と正常組織の境界領域に主に発現しており、この部位に癌幹細胞が存在する可能性がある.すなわち頭頸部癌幹細胞においてRad9はp53と相互作用することでP21の転写を調節しており、頭頸部癌においてはRad9とp53の強発現と相互作用に伴うチェックポイント応答異常が癌幹細胞の病態に関与している可能性が示唆された。
|